フラトコフ首相が来日する

 

 
■ ロシアのフラトコフ首相が来週の27日〜28日に来日する。フラトコフはユダヤ系のロシア首相(参照)。フラトコフ首相には60人ほどの企業経営者が同行するらしいし、フラトコフは対外貿易および対外経済を専門にしてきた官僚だから、今回の60人前後という規模での来日の主目的も日本とロシアの経済的協力についてということになる。その前日の26日にはフリステンコ産業エネルギー相も来日する予定になってるので、日本の当事者とフリステンコ産業エネルギー相らがどういった話し合いをしてどのような合意がなされるのか気になるところでもある。


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もともと今回のフラトコフ来日は、05年11月にプーチン大統領が来日した際に日本側が招請したものらしい。そして06年11月の日露首脳会談において、フラトコフ首相が今年2月に訪日することで合意したものだと。つまりプーチン大統領小泉政権のときに招請していたことを、1年後に安倍首相とプーチン大統領との間で合意したことによって今回のロシア側の訪日が決定したと。


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2月28日には「第2回日露投資フォーラム」も開催されることになっており、参加予定の人数は日露双方から400名となっている。このフォーラムの概要をみると、グレフ経済貿易発展大臣とサンクトペテルブルグ市長が挨拶し、フラトコフ首相は特別講演をするようだ。その他にもかなりのロシア側の代表の名前があるから、日露とくにロシアの力の入れようが伝わってくる。会場は経団連会館グレフ経済相はプーチンが来日したときにも日本に来ていたはず。



以下に記事などを。

フラトコフ・ロシア連邦首相及びフリステンコ・ロシア連邦産業エネルギー大臣の来日について
平成19年2月20日

1.フラトコフ・ロシア連邦首相は令夫人とともに、2月27日(火曜日)から28日(水曜日)までの日程で、我が国政府の招待により来日する。
2.フラトコフ首相の来日中には、天皇皇后両陛下は、同首相及び令夫人を御引見になる。また、安倍総理との会談等が予定されている。
3.フラトコフ首相は、ロシア政府の経済問題の責任者であり、この機会に、日露間の貿易経済及び実務分野での関係拡大の方策について活発な議論が行われることが期待される。
4.フラトコフ首相の訪日に先立って、2月26日(月曜日)より、フリステンコ・ロシア連邦産業エネルギー大臣(貿易経済日露政府間委員会ロシア側共同議長)が来日する。
5.来日期間中には、麻生外務大臣との間で、貿易経済日露政府間委員会共同議長間会合が開催され、フラトコフ首相訪日を念頭に日露間の貿易経済関係について議論が行われる見込みである。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/yojin/arc_07/0702.html

いすゞ、ロシア合弁・首相来日時に合意
日本経済新聞 - 2007年2月22日

【モスクワ=坂井光】ロシアのフラトコフ首相が27、28日に訪日する際に日ロが民間分野で合意する主な内容が明らかになった。いすゞ自動車のトラック生産の合弁設立のほか、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)による光ファイバーケーブルの敷設などが決まる見通し。安倍晋三首相の年内訪ロについても調整する。

ロシア側は首相に企業経営者約60人が同行し、民間分野の協力を拡大する。いすゞはロシア西部ウリヤノフスクにある大手自動車メーカー、ウリヤノフスク自動車工場(UAZ)と、小型トラック生産の合弁会社を設立する覚書に署名する。いすゞ側が過半数を取得する。いすゞは現在、UAZに組み立て生産を委託しており、技術協力も強化する。 (07:01)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070222AT2M2102321022007.html

フラトコフ・ロシア首相:27日来日 安倍首相と会談へ

麻生太郎外相は20日午前の記者会見で、ロシアのフラトコフ首相の来日日程を27、28両日と発表した。安倍晋三首相らと会談、北方領土問題や経済協力の拡大などについて意見交換する。同国のフリステンコ産業エネルギー相も26日に来日する。【大前仁】

毎日新聞 2007年2月20日 東京夕刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/

ロシア:エネルギー相、首相来日に同行 資源協力協議へ

【モスクワ杉尾直哉】斎藤泰雄・駐露大使は7日、日本人記者団と会見し、今月末のフラトコフ露首相の日本訪問にフリステンコ産業エネルギー相が同行すると明らかにした。斎藤大使は「(日露関係で)エネルギーが重要な問題となっている」と語り、安倍晋三首相らとの会談で資源分野での協力などが協議されるとの見通しを示した。

消息筋によると、フラトコフ首相の訪日は今月27、28日ごろになる見通し。斎藤大使によると、他の閣僚や極東地方の知事、露企業経営者らも同行する方向で調整が進められている。ロシア側は東シベリアや極東の資源開発で日本側に積極的な協力を求める考えとみられる。フリステンコ産業エネルギー相は日露貿易経済政府間委員会のロシア側共同議長を務めている。

毎日新聞 2007年2月8日 1時04分

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/

露、エネ資源外資に渡さぬ 戦略的40分野法制化へ

【モスクワ=遠藤良介】ロシア政府は1月31日、同国の40にのぼる産業を戦略的分野と定め、外国企業の参入を厳格に規制する法案を承認した。指定された分野には石油や天然ガスなど地下資源の大半も含まれ、これまでさまざまな形で進めてきた外資の排除を明確な法規制によって強化している。同法案は約1カ月間の追加審議を経て国会に提出される。

産業エネルギー省によると、40の分野は軍事、航空、宇宙、金属、特殊機械、鉱物資源など多岐にわたる。外国民間企業は、同分野のロシア企業の株式の50%、外国国営企業は同25%以上を取得することを禁じられる。

報道によれば、分野数は、最終的に連邦保安局(FSB)の主張で大幅に増えたうえ、同局は戦略的分野すべての外国企業の参入可否を審査することになるという。

地下資源の分野では、石油で7000万トン、天然ガスで500億立方メートル、金で50トン以上の埋蔵量をもつ鉱区が「戦略的」と指定され、小規模鉱区を除く大半の地下資源開発を外資が主導できなくなる。また、大規模な開発が進むサハリン(樺太)沖など大陸棚の石油・ガス田は規模に関係なく「戦略的」とみなされる。

政府内でも市場経済派のグレフ経済発展貿易相らは「40もの戦略的分野指定は多すぎ、投資と経済発展を阻害する」などと否定的立場をとるが、シロビキ(武力系省庁出身者)が支配的なプーチン政権内では少数意見にとどまっている。

同政権は、2004年に石油大手「ユコス」を解体して国家の管理下に置くなど、資源支配を急激に推進。昨年末には、政府系天然ガス独占企業体ガスプロムが、日本企業も参画する開発事業「サハリン2」の支配株式を“奪取”している。

(2007/02/02 03:02)

http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070202/wld070202001.htm