コールバーグ・クラビス・ロバーツとブッシュ家

 


コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)を中心とするグループがテキサス州最大の電力会社TXUを買収することで合意に達したと報じられた。買収総額は負債引き受けを含め450億ドルと巨額で、LBOの規模では史上最大となったと各紙が書いている。ファンドによる米企業の買収としても過去最大。


KKRを1976年に設立したのは、ジェローム・コールバーグ、ヘンリー・クラビス、ジョージ・ロバーツの3名だ。このKKRが現在「世界最強の投資ファンド」と称されており、毎日のようにブラックストーンやカーライルなどとともにブルームバーグやロイターなどの記事に名前が登場している。

「LBOの覇者」であるKKRは06年4月に日本法人を設立しているから、既に日本に上陸し昨年から本格的な活動を開始してる。


 「どんな愚か者でも多く支払えば会社を買収できる。」(ヘンリー・クラビス)


ヘンリー・クラビスは06年の「世界長者番付」で資産25億ドルと推定され292位にランクされているが、同じ292位にはあのデヴィッド・ロックフェラーがいる。ベクテル社ライリー・ベクテルも292位。ヘンリー・クラビスとともにKKRを設立したジョージ・ロバーツも同じく25億ドルで292位だ。

KKR3人組のもうひとりジェローム・コールバーグのほうは「米国内の長者番付」に新生銀行クリストファー・フラワーズと同じ12億ドルで322位として登場。この米国内の長者番付では、ヘンリー・クラビスとジョージ・ロバーツとデヴィッド・ロックフェラーは共に26億ドルで107位となっている(参照)。

ヘンリー・クラビスがビルダーバーグ会議に参加したのは、93年、96年、98年、00年、01年、02年、03年、04年、05年、06年だから、KKRの総帥はビルダーバーグ会議の常連である。



KKRの総帥ヘンリー・クラビスとブッシュ家の関係が『アメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか』という本に少し載っているので、以下に引用する。



 KKRの総帥ヘンリー・クラビスとブッシュ家の絆

世界最大級の企業買収ファンド、KKRの筆頭パートナー、ヘンリー・クラビスはブッシュ家と浅からぬ絆の持ち主である。その絆はヘンリーの父、レイ(正式名レイモンド)にまでさかのぼる。レイがブッシュ現大統領の祖父プレスコットの知遇を得るきっかけとなったのは、プレスコットウォール街の老舗投資銀行の上級パートナーだった時、油田評価のために、その道のプロ、レイを起用したことに始まる。その後、両者は親しい交わりを続け、プレスコットはエール大学を卒業した自分の息子(父ブッシュ)の就職口をレイに斡旋してもらったほどだ。レイの息子ヘンリーは独立系石油採掘業者として名をはせた父の力を頼まず、一代でKKRを築きあげた逸材であったが、大統領選出馬を表明したブッシュ(父)のために1987年秋以後、選挙資金集めに奔走している。1988年の選挙で当選を果たしたブッシュ(父)は自分の大統領就任祝いの晩餐会においてヘンリーを栄誉ある共同実行委員長に任じ、その労をねぎらったほどである。ブッシュ(父)はヘンリーの貢献を高く評価し、金融問題についてしばしばヘンリーの助言を求めたといわれる。


 以上、P.129〜130より引用。

ユダヤ・ロビー研究本”としてアメリカはなぜイスラエルを偏愛するのか』はお奨め。


いま引用した内容から見えてくるのは、ヘンリー・クラビスの父レイモンドと現大統領の祖父プレスコットとの関係に両家の絆の起源を求めることができ、その「絆」は現在も続いていること。プレスコットがパートナーだった「老舗投資銀行」とはブラウン・ブラザーズ・ハリマンのことだろう。父ブッシュの就職口を斡旋したのがレイモンドだというのだから、父ブッシュが石油業界に身を置く道筋を世話したのがクラビス家ということになるはずだ。その父ブッシュが大統領になると、レイモンドの息子ヘンリーが金融問題について大統領に助言していた。その父ブッシュは、その後カーライルに上級顧問として身を置いたわけだから、このクラビス家とブッシュ家の関係にはとても興味深いものがある。ブッシュが身を置いたカーライルの会長はフランク・カールッチという元国防長官。

CIA副長官を務めた経歴もあるカールッチは、ブッシュが89年に大統領に就任するとカーライルの副会長に就任した。カールッチが会長になったのは93年から。この89年には現大統領ブッシュカーライルの理事に就任している。そして父ブッシュ政権国務長官を務めたジェームズ・ベーカーもカーライルの最高顧問。ブッシュはカーライルの株を持っていないが、ベーカーはカーライルの株を「1億8千万ドル分」所有するパートナーだから、ベーカーはカーライルを所有する数少ない人物(参照)。財務長官を務めたりプラザ合意の重要人物だったりイラク問題でもたびたび登場するベーカーは今回のKKR(TXU)にも登場する。


KKRを中心とするグループが買収するTXUの顧問にベーカーが就任することになった。ここにベーカーが顔を出すところが興味深いではないか。そして今回のTXU買収に絡んで、オプション取引出来高が通常の7倍強に急増、つまりインサイダー取引があったようだとブルームバーグが伝えている。



ブッシュ家とクラビス家(KKR)の関係、ブッシュ家とベーカーの関係、そしてテキサス州最大の電力会社TXU。ベーカー家はテキサス州知事を務めたブッシュ家とともに“テキサス財閥”を形成している。


以下に記事など。

KKRクラビス氏、TXUで再びLBOの記録更新−RJR並みの衝撃
2007年2月27日(火)09時28分

2月26日(ブルームバーグ):1989年のRJRナビスコ買収でレバレッジドバイアウト(LBO)の歴史を塗り替えたコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)のヘンリー・クラビス氏(63)は再び、LBO規模で記録を更新した。

KKRはテキサス・パイフィック・グループなどともに、テキサス州最大の電力会社TXUを総額450億ドル(約5兆4300億円)で買収することで合意した。同業の米ブラックストーン・グループなども今までに超えたことのない400 億ドルの節目を超える大型LBOとなる。KKRとテキサス・パシフィックは、環境保護団体の支持を取り付けるなどの根回しの末、TXUの取締役会の承認を勝ち取った。

KKRの共同創業者クラビス氏は、KKRの最新ファンドが160億ドル超の資金を集めるなか、より大規模な買収先を見つける必要に迫られている。大規模買収でなければ、投資家が期待する20%超のリターンを上げることはできない。TXU買収では、投資銀行4行も自己資金で出資する。

モーガン・ジョゼフのマネジングパートナー、フレッド・ジョゼフ氏は25 日のインタビューで、「M&A(企業の合併・買収)にこれほどの資金が飛び交うのを見たことがない」と話した。

KKRやテキサス・パシフィックなど株式非公開の投資会社は、投資家から集めた資金と自己資金に、買収先企業の資産を担保に調達した資金を加えて買収代金を賄う。買収先企業の業績を改善させた後、通常5年程度で再度売却する。

クラビス氏は1976年に、いとこのジョージ・ロバーツ氏、ジェローム・コールバーグ氏とともにKKRを設立した。同社ウェブサイトによると、以来、総額2740億ドル超の買収を成し遂げている。すべて米証券会社ベアー・スターンズ出身者で構成される経営陣は近年、売上高2億−20億ドル規模の企業を買収している。

RJRナビスコ買収は、債務を含め310億ドルというその巨大規模で耳目を集めた。KKRが食品・たばこ会社への敵対的買収で勝利を収めるまでの経緯は本にもなった。この買収での収支はとんとんだった。

KKRはファンドに集まる資金が膨らむにつれて買収の規模を拡大し、 2005年8月にはソフトウエアメーカー、サンガード・データ・システムズを104 億ドルで、06年1月にはデンマークの電話会社TDCを約140億ドルで買収した。

しかし、昨年11月までは、RJRナビスコ買収が依然、過去最大のLBOだった。KKRは同月、ベイン・キャピタル、メリルリンチと組み、病院運営の米HCAを約330億ドルで買収することを決め、記録を更新した。この記録は2週間前に、ブラックストーンによって破られた。ブラックストーンは米最大のオフィス不動産投資信託(REIT)のエクイティ・オフィス・プロパティーズ・トラスト(EOP)を390億ドルで買収することで合意した。

ジョゼフ氏は「私が業界を見てきた43年で、最高の売り手市場だ」と話した。

TXUとの合意ではTXUが他の買収案を検討できる期間が認められており、TXUの買収価格はさらに高くなる可能性もある。この日の届け出によると、TXUは4月17日までに他の買収案を受け入れれば3億7500万ドル、それ以降ならば10億ドルの違約金をKKRなどに支払う。

事情に詳しい複数の関係者によると、TXUの買い手連合は85億ドルを現金で出資し、買収代金の残りは借り入れで賄う。投資会社2社が最大50億ドルを出資し、ゴールドマン・サックス・グループが15億ドルを出資する。ほかに、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスシティグループモルガン・スタンレーも出資するという。

TXUの案件は、投資会社による新たな手法を示した。買い手側はTXUの取締役会に話を持ち込む前に、環境団体などの反対を予測し、火力発電所建設計画の縮小や地球温暖化ガス排出規制を受け入れる姿勢などを示した。

労働組合や各国政府から、投資会社への批判が高まりつつある。買収した企業の価値を高めて売却するため、投資会社の意を受けた経営陣はコスト削減や効率化を第一義に据えることになるためだ。

今後は、500億ドルあるいは1000億ドル規模のLBOも起こり得るとの観測もある。ただ、米ダートマス大学タック経営大学院のプライベートエクイティ・センターのディレクター、コリン・ブレードン氏は、そのためにはより多くの大型ファンドが必要だとの見方を示し、「500億ドル超の案件が成立するには、200億ドル超のファンドがあと幾つか必要だ」と話した。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=27bloomberg32a8uy428EuI.8

3兆8000億円で電力会社を買収 米投資ファンド
2007年2月27日(火)16:06

【ワシントン=渡辺浩生】米大手電力供給会社でテキサス州を基盤とするTXUは26日、米有力投資会社のコルバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)とテキサス・パシフィック・グループ(TPG)を中心とする投資連合に買収されることで合意した、と発表した。買収総額は318億ドル(約3兆8000億円)に上り、買収先の資産を担保に資金調達するM&A(企業の合併・買収)の手法であるレバレッジド・バイアウト(LBO)では過去最大規模となる。

また、TXUは(1)地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)の主要排出源である石炭火力発電所の計画破棄(2)連邦レベルでの将来的な温室効果ガス排出規制導入への支持−などの環境公約も投資連合と結んだ。

主要アドバイザーの米投資銀行大手、ゴールドマン・サックスなどの助言もあり、TXUに石炭火力発電所計画の撤回を求めてきた米有力環境2団体が買収交渉に関与した結果、実現したもので、電気料金の10%引き下げも公約。ベーカー元国務長官が顧問に、ライリー元米環境保護局(EPA)長官が取締役に就任し、環境と地域に貢献するエネルギー企業として転換を目指す。

買収には、リーマン・ブラザーズシティグループモルガンスタンレー、JPモルガン・チェースといったウォール街の主要投資銀行がそろって参加する。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/e20070227003.html?C=S

Venden la eléctrica de Texas TXU por 45.000 millones de dólares
Agencia EFELunes, 26 de febrero 2007


http://www.periodistadigital.com/economia/object.php?o=585808

米TXUのオプション取引、買収報道前に急増−インサイダー取引
2007年2月27日(火)07時26分

2月26日(ブルームバーグ):米テキサス州最大の電力会社TXUのコールオプション取引は2月23日、同社が過去最大のレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保にして資金を調達する買収)の形式で買収されると米CNBC放送が報道する直前に、出来高が通常の7倍強に急増していたことが、ブルームバーグのデータで分かった。

米投資会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)とテキサス・パシフィック・グループは26日、TXUを総額450億ドル(約5兆4260億円)で買収すると発表した。

TXUのコールオプション出来高は1万8182枚と、過去20日間の平均 2421枚から急増した。TXU株を3月17日までに57.50ドルで買うコールオプションの商いが最も多く、5574枚だった。TXUの株価は2月23日、前日比2.38ドル(4.1%)高の60.02ドルだった。

T2パートナーズとティルソン・ミューチュアル・ファンズで1億5000 万ドル相当の運用に携わるホイットニー・ティルソン氏は出来高急増について、「唯一説明できるとすれば、今回の買収プロセスで情報漏れがあるということだ」と述べ、「かなりあからさまなインサイダー取引のようにみえるため、明らかに当局の調査が必要だ」と指摘した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)の広報担当者、リン・ハワードリード氏は、特定の調査についてはコメントしないと語った。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=27bloomberg32agC2QrWlcPCk


米ファンドKKR 国内勢と共同投資も 日本法人CEOが見解
日本経済新聞 2006年4月21日

米大手ファンドであるコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が4月から日本での投資事業を本格的に開始した。日本法人の山川丈人・最高経営責任者(CEO)は日本経済新聞社のインタビューに応じ、金融機関や投資会社など国内勢との共同投資も選択肢となる考えを明らかにした。日本拠点は年内に投資専門職で6−8人の体制をつくる。
KKRは4月初めに日本法人を設立した。投資金額の目標は設けず、募集を完了したグローバルファンドなどの資金を振り向けていく方針。「世界の各産業を調査する社内チームを使って、幅広い業種から投資対象を発掘していく」(山川氏)考えだ。
KKRは大企業グループのなかで、競争力が落ちた事業部門や子会社などが投資対象として有力だとみている。「再成長するために必要な資金を投入したり、国際展開の手助けをして企業価値を高めていく」(山川氏)という。同時にインタビューに応じたKKRアジア会長のデリック・モーン氏は「日本では景気回復に伴い、ファンドが破綻企業を買収する時代は終わった」と指摘した。



KKR、日本の陣容拡大 アジア2首脳会見
日経金融新聞 2006年4月21日

米大手買収ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が4月から、日本で業務を始めた。当面は人材の採用を急ぐほか、投資先の選定も始める。大企業のリストラに伴う子会社売却の受け皿などとして、注目を集めそうだ。KKRアジアのデリック・モーン会長、同ジャパンの山川丈人社長が、言葉を選びながら日本戦略を語った。
(編集委員 小平龍四郎)


■リストラ子会社に興味
山川氏「4月に日本法人を設立し、人材の採用を急いでいる。現在、投資に携わる専門家は私を含めて2人だが、年内をメドに6人から8人程度に増やしたい」
「日本では親会社から格下扱いされ、技術開発などへの投資が不足している子会社も多い。我々がそうした子会社に投資すれば、技術や市場調査、業務運営などに必要な資金を提供できる」

買収ファンド成功のカギは資金力だけではなく、質の高い専門家を数多くそろえることにある。日本で活動を始めた米欧ファンドはいっせいに専門家の採用に動いている。
買収先の企業を再生するために、投資銀行家のほか、GEコンシューマー・ファイナンス出身の山川氏のように、金融・産業界で経営に携わった人材の人気も高い。KKRは特に人脈と経験を持つ実業界出身者を重視する傾向が強く、今後も大物の移籍が実現する可能性がある。


■長期投資に徹す
モーン氏「我々は忍耐強い投資家だ。1社あたりの平均投資期間は7年で、10年を超える例もある。(KKR創業者の1人)ヘンリー・クラビス氏は『どんな愚か者でも多く支払えば会社を買収できる』と言っている。本当の投資は買収後に始まる」
「長らく米国内で活動してきたKKRは、1999年に初めて欧州に拠点を設けた。これまでに独シーメンスの子会社買収などで実績をあげた。当初は米国人2人で始めた欧州業務だが、今では欧州人が24人、米国人はわずか1人だ」
KKRは米国で設立されたが、欧州専用ファンドも持つなど国際色を強めている。日本と企業風土が似ているドイツの成功も、日本進出を後押しした要因の1つと見られる。欧州では長期投資の姿勢を一段と強め、投資先の従業員の教育に力を入れるなど、米国流とはひと味違う手法も取り入れた。欧米ファンドへの警戒感が強い日本で受け入れられるには、欧州よりさらに長期の投資に徹する必要もあるだろう。


■買収候補未定 規模より信頼
モーン氏「具体的な買収候補や規模などは何も決まっていない。(米欧より)小さな規模の買収から始める可能性もある。日本勢に共同出資をお願いすることもあるだろう。重要なことは(規模や派手な案件ではなく)信頼を勝ち得ること。KKRを信じてくれる企業を1つでも見つけられれば、まずはそれで十分だ」
ウォール街では100億ドル規模の買収案件にしか興味を示さないとされるKKR。しかし日本で米国のような巨額買収が日常化するには、時間がかかると見ているようだ。買収リスクを分散するため他の有力な海外ファンドと組む可能性も小さいという。
買収候補は具体的な言及を避けたが、米欧で成功した最近の案件には、米サンガード・データ・システムズなどテクノロジー関連や、米トイザラスなど流通業が多い。複数の証券会社は「総合電機の子会社や通信、スーパーなどを日本企業と共同買収するのでないか」と見ている。


コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)
1976年に米国で設立された世界最大級の投資ファンド。世界中に70人強の投資専門家を抱え、これまでに約140社、1900億ドル(22兆円)の投資を実施してきた。最近では米玩具チェーン大手のトイザラスや、米ゼネラル・モーターズ(GM)の金融子会社GMACの不動産金融部門などを買収した。

http://www.sodan.info/colum/?sec=detail&did=6439

KKRやブラックストーンなどのLBO会社:借り入れコスト過去最低
2007年2月21日(水)15時06分

2月21日(ブルームバーグ):米投資会社のコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の共同創業者ヘンリー・クラビス氏とブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)は、銀行からかつてないほど容易に過去最低水準の金利で資金を借り入れている。

昨年11月に病院経営のHCA買収資金を調達するため、128億ドル(約1兆5338億円)を借り入れてからわずか3カ月で、KKRとそのパートナーらはより低い金利での融資交渉を取りまとめた。ブラックストーンのシュワルツマン会長も、同様に35億ドルの融資を確保し携帯電話用半導体メーカー、フリースケール・セミコンダクターの買収費用に充てている。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によると、今年これまでのローンの借り換え額は640億ドルと、2006年全体をすでに上回っており、こうした伸びをけん引しているがレバレッジド・バイアウト(LBO、買収先の資産を担保にして資金を調達する買収)会社だ。デフォルト(債務不履行)件数が過去最低に近い水準近いことから、銀行は低利での融資に応じている。

プライベート・エクイティ(PE、未公開株投資)会社、ファースト・リザーブのマネジングディレクター、ケニス・ムーア氏は、「借り手にとってこれほど有利なローン市場を見たことがない」と述べた。

S&Pによると、投資適格級を4、5段階下回る格付けの企業向けの融資金利は、3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)に対する上乗せ幅が平均で2.26ポイントと、過去最低。03年には上乗せ幅は4ポイントを超えていた。

HCAは今月、KKRなど投資家グループによる買収合意時に取りまとめられたタームローン(中長期貸し付け)128億ドルの借り換えを実施した。金利はLIBORに2.25ポイント上乗せした水準で、最初の融資契約時の2.50ポイントと2.75ポイントから低下した。KKRとそのパートナーは、借り換えにより、年間5400万ドルの金利負担を軽減できる。

S&Pによると、こうした融資が追い風となり、昨年の米国のM&Aは過去最高の総額1兆5500億ドルに達した。レバレッジド・ローンで資金調達された米国のM&Aは全体の57%と、過去7年で最高。レバレッジド・ローンは、借り手の格付けがS&Pの格付けで「BBB−」より下、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの格付けで「Baa3」より下のものを指す。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=21bloomberg32arFK8fpC3L2w

負債の魔術師KKRの企業買収


モルガン・スタンレー大成建設からシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルを買収するらしい。



スターウッドとモルスタ、シェラトン・トーキョーベイ取得へ
2007年2月27日(火)13時56分

[26日 ロイター] 米スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドと、モルガン・スタンレーの不動産部門モルガン・スタンレー・リアル・エステートが運営するファンドは、大成建設<1801.T>からシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルを取得するため、合弁契約を締結した。

合弁事業の出資比率はモルガン・スタンレー・リアル・エステートのファンドが74.9%、スターウッドが残りの25.1%となる見通し。

シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルは、1988年のオープン当初からスターウッドが運営しており、声明によると、合弁契約のもと、引き続きスターウッドが運営を行っていく予定。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=27reutersJAPAN248782

モルガンS:東京ディズニーリゾートシェラトン,大成建から買収へ(2)
2007年2月27日(火)12時19分

2月26日(ブルームバーグ):米証券会社の中で不動産投資最大手のモルガン・スタンレーとホテルチェーン大手の米スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドは、東京ディズニーリゾートのホテルを買収するため合弁会社を設立した。両社が26日に発表した。

それによると、モルガン・スタンレーの不動産部門が運営するファンドとスターウッドは、客室数802のシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル大成建設から買収する。買収額は明らかにしていない。買収後はモルガン・スタンレーが75%、スターウッドが25%を保有する。スターウッドは「シェラトン」ブランドのホテルを展開し、1988年からシェラトン・グランデ・トーキョーベイを運営している。

モルガン・スタンレーは世界最大の高リターン不動産ファンドを運営しており、年率20%超のリターンを上げている。

モルガン・スタンレーの広報担当者、アリソン・ダンブリシ氏はコメントを控えた。ブルームバーグ・ニュースの電話取材に対するスターウッドの広報担当者からの応答は得られていない。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=27bloomberg32aGHAjJdlz.Jo