エンデサ買収戦にエネルが参入

 


「エンデサをめぐる動き」の続報だが、2月27日にエネルがエンデサの株式9.99%を取得したことを明らかにし、この買収戦にエネルが参入してきた。エネルはこの比率を25%ほどに引き上げることを示唆しており、エンデサをめぐる動きが新たな展開をみせている。


エネルは昨年スエズを買収しようとしたが、フランス政府の抵抗に遭って事実上スエズ買収から撤退した。スエズとガス公社の合併の是非は大統領選後に決着するはずだ。

エンデサをめぐっては当初ガス・ナトゥラルとエーオンによる買収戦だったが、ガス・ナトゥラルが脱落したことでエーオンがエンデサ買収にもっとも近い存在となっていた。しかしエネルがここに参入してきたことで、エーオンが大きく後退した格好になった。エーオンにエンデサが買収されることにスペイン政府が抵抗しているようだ。



欧州にとってガスプロムに代表されるロシアの存在あるいは影響力も大きいし、ウクライナではティモシェンコなどがガスプロム合弁会社ロスウクルエネルゴからのガスの輸入を止めるべきと主張している。ウクライナでは2月6日に、ガスパイプラインの民営化や売却、リースを禁じる法案を圧倒的な賛成多数で可決したそうだ。この動きの中心にティモシェンコがいる(参照)。

フランス首相がエネルによるスエズ買収を阻止する目的でスエズとガス公社の統合計画を発表したのは06年2月が終わる頃だった。あれからちょうど1年が経過したのだ。

スエズ、エーオン、エネル‥‥などなど、欧州でのエネルギー企業の買収戦がどのような形で落ち着くのか、その結果エネルギー企業の勢力図にどのような変化が生まれるのか、またその支配権がどうなるのかといった諸々のことへの関心が大きくなって、今日から3月が始まった。


以下に記事を6件。

伊電力大手エネル、エンデサ株24.99%取得に自信(3/1)※

スペインの電力最大手エンデサを巡る買収合戦に、イタリアの電力大手エネルが幕を引く可能性が高まってきた。エネルは2月27日、エンデサの株式9.99%を41億3000万ユーロで取得したことを明らかにし、翌28日には24.99%への保有比率の引き上げに自信を示した。

エンデサ買収についてはスペインのガス大手ガス・ナチュラルがいち早く名乗りを上げ、スペイン政府もこれを支持する考えを示していた。しかし、昨年2月に独エネルギー大手エーオンの参戦で状況が流動化。エーオンはスペイン政府や同国のインフラ大手アクショナをはじめとする既存株主の抵抗を受けると、今年に入り買収提示額を410億ユーロに引き上げた。これはガス・ナチュラルの提示額220億ユーロを大幅に上回る。

しかし今回のエネルによる9.99%の株式取得で、エーオンによるエンデサ買収の可能性は大きく後退した格好だ。1週間前にイタリアとスペインの首脳会談が持たれたことから、エネルの資本参加が協議されたのではないかとの観測も生まれている。両政府とも関与を否定しているが、市場関係者はエネルの資本参加について、エーオン排除に向けたスペイン政府の最後の防衛策とみる向きが多い。

エネルは長らくスペイン市場でのプレゼンス拡大に関心を示してきた。24.99%への保有比率の引き上げには、スペインのエネルギー委員会の承認が必要となるが、実現した場合は安定株主として長期保有する考えを示している。

(英フィナンシャル・タイムズ特約)

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/20070301NTE2IFT0101032007.html


イタリアEnel、エンデサ株10%取得
【スペイン マドリッド 2007年2月22日】

最初はガス・ナトゥラル社、次にドイツのE.ON社が株の公開買い付け (TOB) を公告し、三つ巴の様相を見せていたエンデサ買収問題に新たな展開が加わった。イタリアのEnel社がエンデサ社株の9.99%を41億2,620万ユーロで取得したのだ。これにより、新たに参入したEnel社がエンデサ社株の21.03%を有するAcciona (スペインの建設系企業グループ) と手を結んで、独E.ON社に対抗する可能性が出てきた。イタリア政府が30%を出資するEnel社では、エンデサ社株の25%取得を目指しているという情報もあり、E.ONがエンデサ社株の50%以上を確保する可能性は少なくなってきた。スペイン政府のジョアン・クロス産業相は、スペイン国内1位の電気会社であるエンデサ社のドイツ企業による買収を歓迎しておらず、エンデサ問題の「スペインによる解決」を支持しているという。

http://www.spain-ya.com/Pages/nt0070228.htm


伊エネル:スペインのエンデサ株約10%を取得−6450億円(2)
2007年2月28日(水)09時46分

2月27日(ブルームバーグ):イタリアの電力最大手エネルは27日、同業でスペイン最大手エンデサの株式ほぼ10%を約41億3000万ユーロ(約6450 億円)で取得したことを明らかにした。今回の株式取得は、ドイツの公益企業エーオンによるエンデサ買収計画の妨げとなる公算が大きい。

エネルの発表資料によると、同社は1株当たり39ユーロでエンデサ株1億580万株を取得。エネルによる株式取得の可能性について事情を確認するため、エンデサ株はこの日早く、取引停止となっていた。

イーオンは1年ほど前から410億ユーロ規模でのエンデサ買収を計画しているが、スペインのクロス産業相はこの日、イーオンはエンデサの株主から十分な支持を得られず、買収計画は失敗に終わる可能性が高いとの見方を示した。

バンコBPI(マドリード)のアナリスト、エンリケ・ソルデビラ氏は「イーオンは致命傷を負った」とし、「ほぼ勝ち目のない戦いを強いられることになろう」と語った。

イーオン広報担当者のオフィスの電話と携帯電話に伝言を残したが、応答は得られていない。エンデサの広報担当者はコメントを避けた。

エネルは、エンデサ株取得について、欧州事業での市場シェア拡大を目指すと説明している。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=28bloomberg34azP90WoC0TAU

イタリアのエネル、スペインのエンデサ株を約25%まで追加取得か
2007年3月1日(木)09時06分

2月28日(ブルームバーグ):イタリア電力最大手エネルは28日、スペイン電力最大手エンデサの株式を25%近くまで追加取得する可能性があることを明らかにした。

イタリアの証券取引所からの配布資料によると、エネルは27日にエンデサ株約10%を41億3000万ユーロ(約6487億円)で取得し、保有比率を24.99%まで引き上げることを検討している。

計画が実現すれば、エネルはスペイン投資会社アクシオナとカハ・マドリードの2社と組み、エンデサ株の過半数を所有することになる。ドイツのイーオンも410億ユーロでエンデサに買収を提示しているが、今回のエネルの計画によって買収合戦が決着する可能性も出てきた。スペイン政府はエンデサの支配権を国内資本で維持するべきだと主張し、欧州連合(EU)の電力市場の域内開放方針に対抗している。

イーオンは28日、現在エンデサに提示している買収案を取り下げない方針を明らかにした。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=01bloomberg34a.dZZqiYyhuk

伊電力最大手エネルが取得 スペイン最大手株10%
FujiSankei Business i. 2007/3/1

伊電力最大手エネルは2月27日、同業のスペイン最大手、エンデサの発行済み株式の約10%を取得したことを明らかにした。欧州地域での事業拡大が狙い。

フランス通信(AFP)などによると、エネルはエンデサの発行済み株式の9・99%に当たる1億580万株を約41億3000万ユーロ(約6480億円)で取得した。

エネルはスペインやフランスでの風力発電やロシアでの事業拡大など海外事業を強化しており、エンデサ株の取得が欧州での事業拡大につながると判断したとみられる。

エンデサをめぐっては独イーオンが買収を提案していたが、一時、スペイン政府が反対。イタリアとスペインの両政府が買収を阻止するためエネルのエンデサ株取得を検討していたとの報道もある。

スペイン国内の安定株主が20%以上を保持しているとされ、エネルの取得分を合わせれば30%に上る。

残りの主要株主の動向は明らかではないが、ブルームバーグによると、スペインのクロス産業相は27日、イーオンによるエンデサ買収計画は失敗に終わる可能性が高いとの見方を示した。

http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200703010016a.nwc


「オレンジ連合」復活 ウクライナ、親欧米2党が協力合意

タス通信によると、ウクライナのユーシェンコ大統領を支持する「われらのウクライナ」とティモシェンコ元首相率いる「ティモシェンコ連合」の親欧米2党は24日、野党勢力として再び協力していくことで合意した。

大統領と元首相はともに親欧米政権を誕生させた2004年の「オレンジ革命」の立役者。

昨年3月の議会選で親ロシア派のヤヌコビッチ首相率いる「ウクライナの地域」が第1党に躍進。これを受け「ティモシェンコ連合」を除く「ウクライナの地域」や「われらのウクライナ」などによる大連立内閣が発足。だが「われらのウクライナ」もその後連立を離脱し、「ティモシェンコ連合」との共闘を模索していた。

ティモシェンコ氏によると、共闘により、最高会議(定数450)で少なくとも200議席を確保。今後、議会の繰り上げ選挙を求めていく方針。(共同)

(2007/02/25 18:54)

http://www.sankei.co.jp/kokusai/europe/070225/erp070225002.htm