日産ディーゼルがボルボの子会社へ

 

 


日産ディーゼルボルボの子会社になった。ボルボは昨年になって筆頭株主になったばかりだというのに、もう子会社化とは。社名は残るというが、これで日産ディーゼルボルボの日本支社」になったわけだ。


日本のトラックメーカーといったら、三菱ふそう日産ディーゼル日野自動車いすゞ自動車‥‥といったところだが、三菱ふそうの株を85%持ってるのはダイムラー・クライスラーだし、日産ディーゼルボルボの子会社になってしまった。自動車産業において日本は強国なのだから、トラック4強のうち2社が外資の傘下という事実には衝撃がある。日野の株はトヨタ過半数保有いすゞ筆頭株主三菱商事

昨年ボルボ日産ディーゼル筆頭株主になったのは、それまでの筆頭株主だった日産自動車から日産ディーゼル株を取得したからだ。そして日産自動車の株44・3%を握るのはルノー、日産の社長兼CEOはカルロス・ゴーンである。日産ディーゼルボルボに売り払ったのは、ルノーやゴーンらの外国人だと見てまず間違いないであろう。ルノーボルボに20%ほど出資してるから、いわばボルボルノーの身内である。



「日産は今後、トラックメーカーになるつもりはない。乗用車部門で多くのプロジェクトを進めているし、成長が見込まれる乗用車市場でこそ、やるべきことがたくさんある」(カルロス・ゴーン

以下に記事を2件。

日産ディ株式、ボルボが96%取得・TOBの結果発表

日産ディーゼル工業は24日、ボルボによるTOB(株式公開買い付け)の結果を発表した。2億9458万5705株が応募し、発行済み株式の96%に達した。取得額は1597億円。TOBに応じなかった残る株式も、日産ディが6月の株主総会を経て買い取る方針。日産ディの株式は早ければ7月にも上場廃止になる見込み。

TOBは2月21日―3月23日までで、買い付け価格540円で実施した。日産ディはボルボの傘下入りするが、社名や商標などはそのまま残る。今後はボルボと連携して商品、技術開発を進め、海外で販売網も拡大する。5年以内に年間で約2億ユーロ(約300億円強)の統合効果を見込む。(13:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070324AT1D2400424032007.html

ボルボTOB日産ディーゼルを子会社化

スウェーデンの大手トラックメーカー、ボルボは24日、傘下の日産ディーゼル工業に対して2月21日〜3月23日に行った株式公開買い付け(TOB)の結果、日産ディ株式の保有比率が96%になり、子会社化に成功したと発表した。

ボルボは昨年3月と9月に日産自動車から日産ディ株式約19%を取得し、筆頭株主となった。今後の排ガス規制強化をにらみ、高い環境技術をもつ日産ディをグループに取り込むため、子会社化を決めた。【小川直樹】

毎日新聞 2007年3月24日 11時22分

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20070324k0000e020036000c.html


↑ 06年9月時点の資本関係 ↑


日産ディーゼル株売却
日産、日産ディーゼル株をボルボに売却
日産ディーゼルの仲村社長、「われわれの最大の望みは成長」
社長メッセージ日産ディーゼル




※ 25日15時、以下に記事を1件追加。いすゞと日野が提携し、ダイムラー・クライスラー三菱ふそう)やボルボグループ(日産ディーゼル)などに対抗するという。

排ガス浄化で共同開発へ…いすゞと日野が提携第1弾

いすゞ自動車日野自動車が大型トラックの排ガス浄化システムを共同開発する方針を固めた。

両社が年明けから協議を進めているトラック分野の提携第1弾で、今年夏までに共同プロジェクトチームを組織し、開発をスタートさせる。環境対策で手を組み、ダイムラー・クライスラーボルボグループなど世界の大手トラックメーカーに対抗する。

ディーゼルエンジンから出る排ガスに尿素を含んだ水を吹きかけ、化学反応により有害なNOx(窒素酸化物)を軽減する装置を共同開発する。部品の共通化や、給油所などに併設する「尿素水スタンド」などの共同整備も検討する。

ディーゼルエンジンを巡っては、日本と欧州、米国の各地域で、2010年前後に排ガス規制が大幅に強化される。両社は規制に対応する排ガス浄化システムの開発、量産にかかるコストの削減を図る。

大型トラックの浄化システムで両社はこれまで、ぜんそくなどを引き起こすPM(粒子状物質)の排出を主に抑える触媒やフィルターを使う方式を採用してきた。だが、尿素方式が世界の主流になりつつあり、スタンドも徐々に整備されていることから、方針を変更することにした。

(2007年3月25日13時53分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070325i104.htm?from=main1