桑田元組長が死去した

 


■ 五代目山口組で若頭補佐をつとめた三代目山健組の桑田兼吉組長が死亡した。服役中の桑田元組長が刑の執行停止を受けて緊急入院したのは3月15日であった。桑田元組長は六代目山口組誕生後に跡目を井上邦雄に譲ったので、現在の山健組は四代目体制になっており、桑田元組長自身も事実上現役を引退していたが、山口組が五代目体制から六代目体制に移行する重要な時期に社会不在だったこともあり、現在収監されている司六代目よりも先に出所するはずだった桑田元組長の動向には注目していた。


桑田元組長の入院(刑執行停止)については、毎日新聞の他にも「ストレイ・ドッグ」がそのことを伝えていたし、週刊誌も大きく取り上げていた。



山健組の桑田三代目は、1969年頃から初代山健組健竜会(初代会長は五代目山口組渡辺組長で、当時は山健組若頭)に所属し、健竜会副会長を経て、二代目山健組誕生と同時に二代目健竜会の会長に就任した。二代目山健組では若頭代行を務め、その後は若頭に就任する。五代目山口組が誕生すると、渡辺組長の後を継いで山健組三代目を襲名し直参に昇格。その後は山口組最高幹部である若頭補佐に抜擢され、「宅見事件」後は若頭への最有力候補と見られてきた。以上の経歴から判るように、桑田兼吉は“山健組一筋”の大親分であった。



法の適用が厳しいと言われるヤクザが刑の執行停止を受け緊急入院したということは、刑務所内では治療を施せないほどの重病だったと考えられるから、そうとう危険な状態にあると想像できた。亡くなったのは4月5日(木)の午後ということなので、緊急入院した3月15日(木)からちょうど3週間で逝去したことになる。


桑田元組長は冤罪で収監されたんだし、同様の罪に問われた司六代目と滝沢若頭補佐は保釈されたのに桑田元組長だけは保釈されなかった。五代目体制が終焉を迎える重要な局面で社会不在にされてしまったのだから、さぞや無念だっただろうと想像する。滝沢若頭補佐のように桑田元組長も無罪になっていたら、司六代目が誕生していたかどうか微妙だったのではなかろうか。あるいは六代目人事が大きく変わっていたに違いない。

三代目山健組で桑田組長を支えてきた橋本組長代行(極心連合会会長)と井上若頭(四代目山健組組長・四代目健竜会会長)の両名は、共に六代目山口組の若頭補佐という最高幹部に就任しているし、2月に起こった「西麻布での射殺事件」に関連して小林会が返しの発砲をした事務所のひとつは太田会系の事務所だったが、この太田会も三代目山健組の系列から山口組の直参に昇格した組織である。



毎日新聞によると、桑田元組長は敗血症のため死亡したらしい。殺された可能性なんてあるのだろうか、なんてね。


司組長の実刑確定へ
山口組の滝沢若頭補佐、2審も無罪
後藤組長逮捕
山口組国粋会の工藤会長が死亡


以下に記事など。

山口組元幹部:病気で刑執行停止の元幹部死亡

銃刀法違反(共同所持)で懲役7年が確定して収監された後、病気のため執行停止となり釈放され入院していた指定暴力団山口組の桑田兼吉(かねよし)元最高幹部(67)が、敗血症のため大阪市内の病院で死亡したことが分かった。

桑田元幹部は釈放当初、東京都内の病院に入院していたが、先月下旬に転院していた。

確定判決によると、桑田元幹部はボディーガードの組員らと共謀し97年12月、東京都港区に停車中の車内などに自動式拳銃「トカレフ」など5丁と実弾を所持していた。

毎日新聞 2007年4月6日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070406ddm012040119000c.html

刑執行停止中、山口組元最高幹部が大阪の病院で死亡

大阪府警に入った連絡によると、銃刀法違反罪で懲役7年が確定、服役中に刑の執行停止を受けていた指定暴力団山口組元最高幹部、桑田兼吉受刑者(67)が5日、大阪市内の病院で死亡した。

桑田受刑者は1997年12月、警視庁に現行犯逮捕され、最高裁で上告棄却後、2004年3月に収監。先月15日、病気悪化による執行停止で八王子医療刑務所(東京)から都内の病院に移り、同28日、大阪市の病院に転院していた。

ZAKZAK 2007/04/06

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_04/t2007040618.html

刑執行停止中の山口組元最高幹部が死亡 大阪市内の病院
2007年04月05日

身辺警護役の暴力団組員に拳銃を持たせたとして銃刀法違反(共同所持)の罪に問われ、懲役7年の実刑判決が確定した指定暴力団山口組の元最高幹部、桑田兼吉(かねよし)受刑者(67)が5日午後、大阪市内の病院で死亡した。東京高検が3月、容体の悪化を理由に刑の執行を停止していた。

大阪府警捜査4課によると、桑田受刑者は、準構成員を含め約7千人を抱える山口組傘下の最大組織、山健組の前組長で、渡辺芳則・山口組前組長のもとで山口組の若頭補佐を務めた。

桑田受刑者は97年12月、東京都港区の路上で、配下の組員に乗用車内などに拳銃を隠し持たせていたとして警視庁に現行犯逮捕された。03年5月に最高裁が上告を棄却し、04年3月に収監された。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200704050063.html

東京高検:病気悪化で山口組元最高幹部の刑執行停止

ボディーガードの組員に拳銃を持たせたとして銃刀法違反(共同所持)で懲役7年が確定した指定暴力団山口組元最高幹部の桑田兼吉受刑者(67)について、東京高検が病気悪化を理由に刑の執行を停止したことが15日分かった。桑田受刑者は釈放され、東京都内の病院に入院したという。

確定判決によると、桑田受刑者は組員らと共謀し97年12月、東京都港区に停車中の車内などに自動式拳銃「トカレフ」など5丁と実弾を所持していた。

毎日新聞 2007年3月16日 0時51分

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20070316k0000m040159000c.html

『司法の崩壊』やくざに人権はないのか


Ⅰ 極道冤罪事件──桑田兼吉裁判

裁判で問われていること/逮捕に至る二つの伏線/悪い予感の的中/兄弟の思いやりを利用した取り調べ/違法な「共謀共同正犯」の解釈/山口組のボディーガード/検察側の主張/警護は必要だったのか/本来の「器量」論/「スワット」の実態/盗聴の可能性と週刊誌記事の証拠採用/司法ファシズムとの闘い/疑惑のビデオテープ/証言の変遷/歪曲された自白/裁判官は検察の代弁者か!?/桑田さん謀殺の疑い/やくざから国民へ適用される法/異例が日常化する恐ろしさ/桑田さんは無罪である

エーオンがエンデサ買収を断念

 


■ 1年を超える長期戦になっていたエンデサ買収戦だが、エーオンがエンデサ買収を断念する形で、エンデサをめぐる攻防に決着がついたようだ。


エネルギー企業に関する大きな動きは他のブログで取り上げてきたし、スエズについてもブログやミクシィのコミュにあれこれ書いてきたし、エンデサ買収戦についてはこのブログでも取り上げてきたから、詳しいことはここでは省略する。今回エーオンはエンデサ買収戦に敗北したが、エンデサがもつ100億ユーロ相当の資産を取得するそうだ。


「スペイン銀の米進出続く」と「エンデサをめぐる動き」(2007-02-20)
エンデサ買収戦にエネルが参入(2007-03-01)
メディオバンカ(2007-03-02)


ガスプロムの時価総額ガスプロムに関するリンクも参照)
スエズと仏ガス公社が合併へ
ビルダーバーグ会議(エティエンヌ・ダヴィニオンのトピック参照)


スペイン政府の意向に協力する形でエンデサ買収戦にエネルが参入してきたことは意外だったが、シュレーダー前首相の動きにも現われているようにドイツはロシア(ガスプロム)と、フランス(スエズ)はベルギーと、イタリア(エネル)はスペインと‥‥といった具合にまとまりつつある。このような欧州のエネルギー企業再編という流れに乗っていないのがイギリスということになるが、ドビルパン首相による「世界屈指のエネルギー企業をつくる」との宣言があっても実質イギリスは沈黙したままである。

イギリスでは、国内電力6大グループのうち、2社がドイツ系、1社がフランス系、そして昨年11月末にイベルドローラがスコティッシュ・パワーを買収することで合意したと発表されたので、さらに1社がスペイン系ということになり、6大グループのうち4グループが外資系となっている。去年イギリス最大手のセントリカがガスプロムに買収されるかもという噂が出たときには、英政府は「買収阻止のための法改正」を真剣に議論していたから、外資による買収の脅威といった危機感を抱いていることは間違いないだろう。


エーオンがエンデサ買収を諦め、エンデサが事実上エネルの傘下企業になることで、欧州におけるエネルギー企業再編の動きもしばらくは落ち着きを見せるのだろうが、スエズがエネルに買収されそうになるとフランス政府がそれを阻止し、エンデサがエーオンに買収されそうになるとスペイン政府がそこに介入するといったように、またドイツでも「フォルクスワーゲンがポルシェの傘下へ」のように、自国企業を外国企業による買収の脅威から保護する「経済ナショナリズム」が存在することを見てきた。EUのように通貨を統合した国々でも、“国策企業”の間にはこれだけはっきりと国境が存在するのである。


 「欧州と話がしたいんだが、いったい、誰に電話すればいいのか?」ヘンリー・キッシンジャー


欧州委員会は、スペイン政府が、エーオンによるエンデサの買収に介入したとして、欧州司法裁判所にスペインを提訴したそうだ。


    


以下に記事を5件。

独電力エーオン、エンデサへの買収提案撤回−見返りに資産取得へ

4月2日(ブルームバーグ):ドイツ最大の電力会社エーオンは2日、同業でスペイン最大手のエンデサに提示していた424億ユーロ(約6兆7000億円)の買収案を撤回したことを明らかにした。これにより、イタリア電力最大手のエネルとスペインの建設会社アクシオナによるエンデサ買収の障害が取り除かれたことになる。

エーオンの発表文によると、同社は買収案撤回の見返りとして、エネルとアクシオナがエンデサ買収に成功した場合、エンデサの資産100億ユーロ相当を取得することでも合意した。

エーオンのウルフ・ベルノタット最高経営責任者(CEO)が買収提案を取り下げたのは過去2年間で2回目。2005年には、英スコティッシュパワー買収を断念した。エネルは、エンデサ買収により同社の2200万人の顧客と数百基の発電所を取得することになる。欧州連合(EU)は7月1日、域内エネルギー市場の規制を緩和し、競争をさらに促す方針だ。

バークレイズ・フォンドスのファンドマネジャー、ペドロ・レアル・デ・アスア氏は、エーオンの買収案撤回について「エネルとアクシオナの買収提案に青信号が灯ったため、エンデサの株主にとって決して悪くない話だ」と語った。

エネルとアクシオナは、エンデサ株を計約46%保有。残りの株式を少なくとも1株当たり41ユーロで買収する提案を行う方針を示している。エンデサの2日株価終値は、前週末比0.04ユーロ安の40.44ユーロ。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aaW_bFAGhvW8

独エーオンがエンデサ買収断念、一部事業取得で合意
2007年4月3日(火)12時23分

マドリード/フランクフルト 2日 ロイター] 独エネルギー大手エーオンは2日、スペインの電力会社エンデサ買収での敗北を認め、計画の断念を発表した。同時に、エンデサの一部事業取得で2大株主の伊エネルとスペインのアクショナと合意した。

エーオンは総額423億ユーロ(565億ドル)の買収提案を行っていたが、期限は4月3日と迫っていた。エーオンは声明で買収に失敗すると「推測するのが安全」と発表、買収案は失効する見通し。

同じくエンデサに買収提案を行っていたエネルとアクショナは、1株当たりで少なくとも41ユーロの買収価格を提示する見込みだが、エーオンによる買収提案の最終結果が4月10日に明らかになるまでは動きはない、とみられている。

エネル、アクショナとの合意により、エーオンは、現在はエネルが保有するスペイン電力のビエスゴや、イタリア、フランス、ポーランド、トルコの発電所など合計100億ユーロ相当の資産を取得する。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=03reutersJAPAN253802

伊エネルとスペインのアクシオナ:エンデサめぐる買収合戦に勝利へ

4月3日(ブルームバーグ):イタリア電力最大手のエネルとスペインの建設会社アクシオナは、スペイン電力最大手のエンデサをめぐって1年半に及んだ買収合戦に勝利する公算だ。両社の買収提示額は434億ユーロ(約6兆 8550億円)を上回る規模。

エネルとアクシオナは2日、現在エンデサが欧州に保有する100億ユーロ相当の資産をドイツの電力最大手エーオンに売却し、エーオンはその見返りにエンデサに提示していた1株当たり40ユーロの買収案を撤回することで合意した。エネルは同日、エンデサの未保有株54%を、少なくとも1株当たり 41ユーロで買い取る方針を示していた。

エーオンの買収案撤回はエネルのフルビオ・コンティ最高経営責任者(CEO)にとって勝利を意味する。同CEOは、同社の130億ユーロに上る現金を欧州や南北アメリカでの買収に利用すると約束してきた。エネルは昨年、フランスの電力会社スエズの買収を試みたが、同社と仏ガス公社(GDF)との合併を支持するフランス政府に阻止され、失敗に終わった。

アンサンジェ・ドゥ・ボーフォール銀行で4億ドル相当の運用に携わるパトリツィオ・パッツァリャ氏(ローマ在勤)は「エネルの株主としては、ほっとしている」と述べ、「買収合戦が終結するまで何カ月も待たされるリスクがあったが、そうした不透明感がなくなった」と語った。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=adq_P6u1.ONU

欧州委、エンデサ買収めぐりスペインを提訴
2007年03月29日06時35分

ブリュッセル 28日 ロイター] 欧州委員会は28日、スペイン政府が、独エネルギー大手エーオンによるスペイン電力大手エンデサの買収に介入したとして、欧州司法裁判所にスペインを提訴する方針を示した。

欧州委は「欧州委が、エーオンのエンデサ買収に関する条件撤回を求めたにもかかわらず、スペイン政府は従わなかった」と表明。

スペイン政府の行動は、エネルギー、輸送、銀行セクターなどの大手国営企業を保護する「経済ナショナリズム」への懸念を高めるものだ、との認識を示した。

訴訟は1─3年以上かかる可能性がある。

エーオンは423億ユーロ(565億ドル)でエンデサの買収を提案しているが、スペイン政府は、エーオンの買収計画に条件を設定。欧州委の指摘を受け、その後条件を一部修正したが、条件の完全撤回を求めた欧州委の命令には従わなかった。

http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200703290003.html

独エーオンの買収妨害、EUがスペイン政府を提訴
日本経済新聞 - 2007年3月29日

ブリュッセル=下田敏】独エネルギー最大手エーオンによるスペイン電力大手エンデサの買収提案で、欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、スペイン政府を欧州司法裁判所に提訴した。資産売却禁止などの規制を導入し、買収を阻止しようとしたため。加盟国の保護主義的な動きをけん制する狙いで、訴えが認められれば、スペイン政府は制裁金を科せられる可能性がある。

欧州委は、スペインの規制は資本移動の自由を定めるEU法令に違反すると指摘。報道官は記者会見で「スペイン政府が違法な規制を残しているため、提訴を決めた」と語った。スペイン政府は、欧州委の圧力を受け、いったんは規制見直しを進めたが、エンデサ資産の国外への売却禁止や国産炭の使用義務などは撤廃しなかった。(07:01)

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070330AT2M2900B29032007.html

【2007年版】世界優良企業番付

■ フォーブスが「世界優良企業番付」を発表した。100位以内に選出された日本企業は06年と同数の7社で、日本企業トップは12位にランクされたトヨタ自動車だった。トヨタは昨年も12位。フォーブスが世界で最も優良な企業だとして1位に選んだのはシティグループで、2位はバンク・オブ・アメリカ、3位はHSBCとなっており、上位3社は大手金融機関が占めた形になった。


シティグループはこれで5年連続の1位となり、バンク・オブ・アメリカは昨年の3位から2位へ、HSBCは昨年5位から3位へとランクアップした。昨年2位だったGEは4位に後退、昨年4位だったAIGは6位に後退、昨年9位だったチェースが5位に上昇した。


以下、07年版「世界優良企業番付」200位まで。


1.シティグループ
2.バンク・オブ・アメリカ
3.HSBC
4.ゼネラル・エレクトリック
5.JPモルガン・チェース
6.アメリカン・インターナショナル・グループ
7.エクソンモービル
8.ロイヤル・ダッチ・シェル
9.UBS
10.INGグループ


11.BP
12.トヨタ自動車
13.ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド
14.BNPパリバ
15.アリアンツ
16.バークシャー・ハサウェイ
17.ウォルマート
18.バークレイズ
19.シェヴロン
19.トタル
21.HBOS
22.コノコフィリップス
23.アクサ・グループ
24.ソシエテ・ジェネラル・グループ
25.ゴールドマン・サックス・グループ
25.モルガン・スタンレー
27.サンタンデール銀行
27.ドイツ銀行
29.AT&T
30.フランス電力
31.クレディ・スイス・グループ
32.メリルリンチ
33.プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
34.ウェルズ・ファーゴ
35.ワコビア
36.ENI
37.フォルティス
38.ベライゾン・コミュニケーションズ
39.アルトリア・グループ
40.三菱UFJフィナンシャル
41.中国石油(PetroChina)
42.IBM
43.ガスプロム
44.ABNアムロ
45.クレディ・アグリコル
46.テレフォニカ
47.エーオン
48.ファイザー
49.ダイムラークライスラー
50.ブラジル石油


51 Nestle
52 Lloyds TSB Group
53 ICBC
54 BBVA-Banco Bilbao Vizcaya
55 Hewlett-Packard
56 Deutsche Telekom
57 Fannie Mae
58 Nippon Telegraph & Tel
59 Mizuho Financial
60 Johnson & Johnson
60 Siemens
62 MetLife
63 Samsung Electronics
64 Aviva
65 Sumitomo Mitsui Financial
66 Microsoft
67 France Telecom
67 Time Warner
69 CCB-China Construction Bank
70 Zurich Financial Services
71 Sinopec-China Petroleum
72 Arcelor Mittal
73 Honda Motor
74 Sanofi-aventis
75 Dexia
76 RWE Group
77 Royal Bank of Canada
78 Generali Group
79 Home Depot
80 Novartis
81 Nissan Motor
82 Bank of China
83 Lehman Bros Holdings
84 KBC Group
85 GlaxoSmithKline
85 Roche Holding
87 UniCredito Italiano
88 Prudential Financial
89 China Mobile
90 National Australia Bank
91 Manulife Financial
92 Munich Re
92 Statoil Group
94 Deutsche Post
95 Telecom Italia
96 Unilever
97 BHP Billiton
98 Aegon
99 Allstate
100 BASF
101 Suez Group
102 American Express
103 Cisco Systems
104 Freddie Mac
105 Intel
105 UnitedHealth Group
107 Walt Disney
107 Intesa Sanpaolo
109 US Bancorp
110 Washington Mutual
111 Tyco International
112 Tokyo Electric Power
113 ENEL
114 Lukoil Holding
115 Carrefour Group
116 Swiss Re Group
116 Toronto-Dominion Bank
118 Repsol-YPF
119 Anglo American
120 Renault
121 Comcast
122 United Technologies
123 Royal Philips Electronics
124 BMW-Bayerische Motor
125 WellPoint
126 Mitsubishi
127 Bank of Nova Scotia
128 Commonwealth Bank
129 Volkswagen Group
130 Boeing
130 Vale do Rio Doce
132 United Parcel Service
133 Endesa
134 News Corp
135 Nokia
135 Travelers Cos
137 Valero Energy
138 Nordea Bank
139 Tesco United
140 Hartford Finl Service
141 Danske Bank Group
141 PepsiCo
143 ANZ Banking
144 Caterpillar
145 Dow Chemical
146 Merck & Co
147 Banco Bradesco
148 Prudential
149 Commerzbank
150 Target
151 Rio Tinto
152 Motorola
153 AstraZeneca
154 Standard Chartered Group
155 Coca-Cola
155 Vivendi
157 Mxller-Maersk
157 Saudi Basic Industries
159 Canon
160 Matsushita Electric Indl
161 BT Group
162 Nomura Holdings
163 Marathon Oil
164 Sony
165 Nippon Steel
166 Banco do Brasil
167 EADS
168 Countrywide Financial
169 Wyeth
170 Canadian Imperial Bank
170 Legal & General Group
172 Westpac Banking Group
173 Gaz de France
174 Fiat Group
175 Lowe's Cos
176 Hutchison Whampoa
177 America Movil
177 Bank of Montreal
179 Mitsui & Co
179 Sprint Nextel
181 China Telecom
182 Kookmin Bank
183 Norsk Hydro
184 EI du Pont de Nemours
185 LM Ericsson
186 Bayer Group
187 National Grid
188 Korea Electric Power
189 British Amer Tobacco
190 Old Mutual
191 Loews
192 Capital One Financial
192 Rosneft
194 Dell
194 ThyssenKrupp Group
196 Sun Life Financial
197 Lockheed Martin
198 Abbott Laboratories
199 Saint-Gobain
200 McDonald's


以下は100位以内に入った日本企業7社


12.トヨタ自動車
40.三菱UFJフィナンシャル
58.NTT
59.みずほフィナンシャル
65.三井住友フィナンシャル
73.ホンダ
81.日産自動車



The World's 2,000 Largest Public Companies


以下に記事を1件。

トヨタなど日本の7社が100位に入る

経済誌フォーブスは29日、07年の世界の有力企業番付を発表、日本企業ではトヨタ自動車が昨年と同じ12位で最高となり、7社が100位以内に入った。

首位は昨年に続き米シティグループ。2位に米バンク・オブ・アメリカ、3位は英HSBCグループなどと、上位は金融大手が名を連ねた。

日本勢7社は昨年と同数。トヨタ、ホンダ(73位)、日産自動車(81位)の自動車3社のほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ(40位)、みずほフィナンシャルグループ(59位)、三井住友フィナンシャルグループ(65位)の3大金融グループに加え、NTT(58位)が選ばれた。

三井住友が100位圏外から返り咲いた一方、昨年98位だった東京電力が姿を消した。有力企業番付は収益、資産、株式時価総額から同誌が総合的に評価した。

[2007年3月30日11時46分]

http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070330-177187.html

【2005年版】世界優良企業番付
【2006年版】世界優良企業番付
【2007年版】世界長者番付

レオナード・フィッシャーがRHJインターナショナルのCEOに就任

 


■ レオナード・フィッシャーがクレディ・スイスを退職し、RHJインターナショナルのCEOに就任するようだ。RHJインターナショナルとはリップルウッド・ホールディングスのことである(RHJインターナショナルがリップルウッド持株会社)。


ティモシー・コリンズは2月28日付で新生銀行社外取締役を辞任した(その記事)。


ブルームバーグは、フィッシャーがクレディ・スイスを辞めた理由を、次期CEOの争いに敗れたからとしている。クレディ・スイスの次期CEOについては2月に「クレディ・スイスの新CEOブレディ・ドゥーガン」で取り上げた。

レスナー・クラインオート・ワッサースタインのCEOだった経歴をもつフィッシャーがクレディ・スイス次期CEOの最有力候補だと見られたときもあったようだから、そのような人物がティモシー・コリンズと一緒にRHJインターナショナルを経営していくということは、それなりの意味があってのことだろう。RHJインターナショナルを経営するコリンズは49歳、フィッシャーは44歳だから、ともに40代。5月からクレディ・スイスCEOに就任するドゥーガンも40代(47歳)である。


RHJインターナショナルのボード・メンバーを見ると、そこにはジェイコブ・ロスチャイルドの名前がある。ジェイコブは先月フォーブスが開催した「中東フォーラム」に出席していたし(その記事)、70歳という年齢になっても金融界に与える影響力は大きく、まだまだ元気のようである。



RHJインターナショナルのボードに、ジェイコブ・ロスチャイルドと並んで名前が載っているのが槇原純という日本人。槙原はネオテニーの会長で、マネックス・ビーンズの取締役も務めている。


    


この槇原純の父親は三菱商事槙原稔で、槙原稔は新生銀行の取締役だ。三菱商事リップルウッドの日本進出の水先案内人を務めたといわれているのだから、その息子の槇原純の名前がRHJインターナショナルのボードに載っていても不思議なことではないということになる。槇原純の母親(喜久子)はあの岩崎家の人間、岩崎弥太郎の直系子孫である。したがってRHJインターナショナルの槇原純には、岩崎家の血が流れているのだ。


岩崎家の系図


岩崎弥太郎

三菱財閥の創業者)

↓↓↓

岩崎久弥

(弥太郎の長男、男爵)

↓↓↓

岩崎隆弥

(久弥の次男。元三菱製紙会長)

↓↓↓

槙原喜久子

(夫は三菱商事社長⇒会長⇒相談役。新生銀行取締役)

↓↓↓

槇原純

(RHJインターナショナルのボードメンバー)


槇原純の祖母は池田といい、喜久子の母親である岩崎隆弥と結婚した池田敏(敏子)は、日銀総裁⇒大蔵大臣を務めた池田成彬の長女。三菱財閥二代目総帥岩崎弥之助日銀総裁を務めているし、第21代日銀総裁である宇佐美洵池田敏の従兄といった関係になる。


池田成彬日銀総裁⇒大蔵大臣)
↓↓↓
池田敏(夫は岩崎隆弥)
↓↓↓
岩崎喜久子
↓↓↓
槇原純


以下に記事を1件。

クレディ・スイスのフィッシャー氏退職、次期CEO目指す競争敗れ(2)

3月29日(ブルームバーグ):スイス銀行2位クレディ・スイス・グループで欧州部門を統括するレオナード・フィッシャー氏(44)が同社を退職し、ベルギーの投資銀行RHJインターナショナル最高経営責任者(CEO)に就任することが29日、明らかになった。クレディ・スイスでは6週間前、投資銀行部門責任者のブレイディ・ドゥーガン氏をグループのCEOに起用した。

フィッシャー氏は移籍先のRHJインターナショナル(RHJI)を、ラザード出身のティモシー・C・コリンズ氏と経営する。コリンズ氏はRHJIの米投資会社リップルウッド創立者で、RHJIの筆頭株主クレディ・スイスの発表によると、フィッシャー氏の退職は即時有効となった。

ゾンターグツァイトゥング紙は昨年、オズワルド・グルーベルCEOの後任としてフィッシャー氏が最有力候補と伝えていた。ドレスナー・クラインオート・ワッサースタインのCEOだったフィッシャー氏は、クレディ・スイスでは保険部門ウィンターサーの仏保険大手アクサへの身売り(100億ドル)を監督した。

フィッシャー氏はRHJIを通じて、「RHJIのCEOとしてティムとチームを組むチャンスを与えられ、胸が弾む思いだ」とのコメントを発表した。

RHJIの株価はブリュッセル市場で1%上昇し、時価総額13億ユーロ。年初来では6.5%下げている。

http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=a12pCpujkwlc

フォルクスワーゲンがポルシェの傘下へ

 


■ ポルシェがフォルクスワーゲンを実質傘下に収めることになるらしい。ポルシェは年間だいたい9万台の生産で9千億円ほどの売上。これに対しフォルクスワーゲンは500万台以上を生産し12兆円ほどを売上げる。規模からいったら傘下になるのは逆だろうと思うのだが、フォルクスワーゲンを買収の脅威から防衛する狙いがあると日経は書いている。


フォルクスワーゲンといったら自動車強国ドイツを代表する大手で、アウディフォルクスワーゲンの別ブランドである。ランボルギーニアウディの傘下にあるし、ベントレーフォルクスワーゲンの傘下だから、ポルシェがフォルクスワーゲンを実質傘下に収めるということはランボルギーニベントレーもまとめて傘下になってしまうということになる。



3月15日付の『The Economist』が「Family capitalism」という興味深い記事を載せている。それによると、ポルシェ家ピエヒ家が議決権を独占することでポルシェを完全支配している。現在フォルクスワーゲングループの監査役会会長をつとめるフェルディナント・ピエヒフェルディナント・ポルシェの孫だから、ポルシェ家とピエヒ家は同族である。この両家はポルシェの株の半分を所有しているだけなのだが、議決権を完全に握っていて、市場で取引されている残りの株式には議決権がないそうだ。そして近々「フォルクスワーゲン法」が撤廃されることで、ポルシェ家とピエヒ家がフォルクスワーゲンを支配することになると。



フェルディナント・ピエヒ


「Family capitalism」の日本語訳を『日経ビジネスオンライン』が掲載しているので、以下に。アニュリ家のところで書かれている支配構造は、国土計画(コクド)と西武グループの関係に似てる。「すべてを支配する頂点の企業は大抵、非上場企業」であるとね。



 ポルシェ家とピエヒ家「良くも悪くもワーゲンは私たちの会社」

 同族資本主義 ほんの2%の株式所有で上場会社を支配する仕組み

2007年3月22日 木曜日 The Economist,EIS


創業者とその家族が上場会社に特別な力を及ぼすことはしばしばある。たとえ、彼らの持ち株数が少数であっても。


2005年半ば、ポルシェの株主の中に、わずか18カ月後にポルシェ社がフォルクスワーゲン(VW)の筆頭株主になると考えた者はほとんどいなかったに違いない。同時に、それは彼らがとやかく言うことではなかった。というのも、彼らがポルシェの経営者や戦略に口を出す権利はほとんどないからだ。ポルシェ家とピエヒ家はポルシェ株の半分を所有しているに過ぎない。にもかかわらず、議決権をすべて握っている。ポルシェの資本の残り半分を提供している、市場で取引されている株式には議決権がないのだ。

最近の欧州の司法判断を受け、いかなる株主もVWに対して20%以上の議決権を行使してはならないと定めた「VW法」は撤廃される見通しだ。もしそうなれば、ポルシェ一族とピエヒ一族がVWを支配することになる。ポルシェはVWの議決権付き株式の27.4%を保有しているからだ。株主の世界の民主主義では、政治の世界と同様、投票率が低ければ議決権のおよそ3分の1で会社を支配できる。

両家の影響力はこれにとどまらない。VWスウェーデンのトラック・エンジニアリング大手スカニアの株式の20%を保有している。スカニアの議決権付き株式には2種類あり、一方は他方の10倍の議決権を持つ。こうした多数議決権株式のおかげでVWスカニアの議決権の35.3%を有している。言い換えると、ポルシェ家とピエヒ家は金銭的にはわずか2%出資しているだけでスカニアの支配権を持つのである。


 資本家が会社の支配権を犠牲にすることなく資金調達する方法


最初の公開市場に会社が上場されて以来、資本家は支配権を犠牲にすることなく資金調達する方法を模索してきた。ポルシェの例は起業家がよく使う2つの方法を示している。1つは、階層化させた企業群を通じて、より大きなグループの支配権を握るもので、特にイタリア人が好む策略だ。階層を追うごとに、頂点の小さな会社が持つ資本を増幅させていく。2つ目は、株式を上場する際に、一般向けに議決権がほとんどないか、あるいは全くない株式を発行する方法だ。どちらも合法である。

ポルシェのケースは、ある一族がいかにして他人の大金を駆使して強大な力を行使できるかを示す極端な例だ。といって、珍しいものでもない。米国のある研究結果によれば、米国の上場企業のうち、会社数にして6%、株式時価総額で8%の企業が2002年に二重階級構造を持っていた。2005年のあるベルギーの研究によると、欧州の大企業のうち1株1議決権の原則を厳格に適用している企業は3分の2に過ぎないという。

企業支配のオープンな市場を作りたい欧州委員会は、こうした行為に反対すべきかどうか検討している。イスラエルは進んでいて、議決権の同等な割り当てを証券取引所に上場する条件としている。これはバランスを取るのが難しい問題だ。自由主義の観点からすると、投資家とオーナーは両者が望むどのような契約も自由に結べるべきだ。一方で、会社を下手に統治する一族を保護することは、改革の妨げとなる。それは経済上、悪いことではないか。


 最も二重階級株式が多いのがスウェーデン


欧州の中で最も二重階級株式が多いのがスウェーデンだ。上場企業の約3分の2が発行している。スウェーデンで最も有名な実業家一族で、保有するスカニア株の大半をVWに売却するまで同社を支配していたウォーレンバーグ家は、その使い方にかけて名人級だ。一族の財団は、一族が支配する上場投資会社インベスターの多数議決権株を保有している。このほかに特別株式の層がある。インベスターは家電メーカーのエレクトロラクスや電気通信機器メーカー、エリクソンなどのスウェーデン企業の発展を支えてきた。こうした企業の大半は議決権が多い株式を発行しており、インベスターがかなりの量を持っている。


 フォード家はわずか3.75%でフォード・モーターを支配


北米の著名企業の中にも二重階級株を使っているところがある。フォード家は既に会社のオーナーではない。フォード・モーターの株式のわずか3.75%を保有しているに過ぎないが、誰が会社を支配しているかを疑う余地はない。同社が1956年に株式公開した時、フォード家の持ち株は特別株に転換された。それは普通株の発行株数に関係なく、議決権の40%をフォード家に保証するものだった。

1993年から98年までフォードの経営トップの座についていた故アレックス・トロットマン氏はかつて、フォードのボスとして成功するためには、会社だけでなく一族もうまく管理する必要があると語っていた。


 グーグル創業者もそう・・・


二重階級株式は過去の遺物というわけではない。2004年、グーグルが株式を上場した時、共同創業者のラリー・ペイジ氏とサーゲイ・ブリン氏は二重階級の株式構造にこだわった。グーグルは一般向けに1株1議決権のクラスA株を新規発行した。ブリン、ペイジ両氏がその大半を保有していた既存株は、1株当たりの議決権が10倍のクラスB株になった。2人の創業者はグーグルの発行済み株式総数の5分の1程度を保有しながら、議決権の5分の3を握っており、結果、支配権を保持しているのだ。

二重階級株式は投資家に対して、特定の経営陣が期限の制約なしに会社を支配することを保証するために作られている。創業者の長期的なビジョンや戦略を株式市場の力から守るためのものだ。グーグルの場合、同制度の採用はブリン、ペイジ両氏の判断の方が株主の判断より優れているという考えに基づいており、同社を創業した2人の天才(あるいは彼らの子孫)が考えを変えない限り続くことになる。

2人はこうした構造を望む理由について、予定株主に向けた「オーナーズ・マニュアル」の中で明確に記している。

「(それにより)、部外者がグーグルを買収したり、グーグルに影響を及ぼすことが難しくなる」「我々経営陣が長期的、革新的なアプローチを取りやすくなる」「そして我々経営チーム、特にサーゲイと私が会社の決定と運命について大きな支配権を持てる」

こうした株式構造は上場の直前に設定されることが多く、そのため、疑いを持たない投資家にこうした構造を押し付けたとオーナーを非難することは難しい。中身が全く同じ企業があるとすれば、1株1議決権を与える企業よりも二重階級株式の企業の方が株を安く買える。多数議決権株を持つ企業では、一族を追い出すことができないため、投資家の権利は弱い。つまり、欠点がどうであれ、二重階級株式は「公平」なのである。

少なくともこれが二重階級の論理だ。しかし、それが信じられないこともある。イタリアの起業家は二重階級株と同じ狙いを実現するために、複雑な企業の階層構造(scatole cinesi、すなわち「中国の入れ子」とも呼ばれる仕組み)を利用する。


 フィアット・グループを支配するアニェリ家が使った仕組み


すべてを支配する頂点の企業は大抵、非上場企業だ。この会社の支配株主は、階層の各レベルにおいて株主総会で絶対的(あるいは事実上の)過半数を確保するに十分な株数を保有する。中国の入れ子は事実上、一般株主から上場企業の支配権を奪う。株式の過半数は、階層全体に散らばる一連の少数株主に小分けにされるからだ。

これが、上場企業でありイタリア最大の産業グループであるフィアット・グループを支配するためにアニェリ家が用いた仕組みである。

一族のcassaforte(文字通り、その金庫)である合資会社ジョバンニ・アニェリ&Cは、2つの上場企業、IFIIFILという階層を通じてフィアットの30.3%を支配している。これはフィアット株主総会を支配するには十分な数だ(例えば2006年の株主総会で議決権が行使されたのは議決権付き株式全体の半分以下で、事実上、IFILの議決権は2倍になった)。

中国の入れ子の力をまざまざと見せつけたのは、2003年、フィアットが悪化するバランスシートを改善するために増資を必要とした時だった。この一件は、2億5000万ユーロ(増資の呼び水としてアニェリ家の合資会社がIFIに注入した額)を18.4億ユーロ(フィアットが調達した額)に変える方法を教えてくれる。言い換えると、階層にある上場企業3社の少数株主が資金の大半を提供したのだ。

ここにもう一ひねり加わる。2003年に亡くなるまでアニェリ帝国を率いたジャンニ・アニェリの孫で、筆頭後継者であるジョン・エルカーンが、ジョバンニ・アニェリ&Cを支配している。この合資会社の議決権の31%を所有するディチェンブレという会社の支配権を彼が握っているためだ。

数十人にも上るフィアット創業者の子孫は、それぞれ5%を下回る議決権しか持たないが、彼らが残りの株のほぼすべてを保有している。これによりエルカーン氏の地位は、一族の残りのメンバーが反対勢力として結託するというありそうもないことが起きない限り揺るがない。エルカーン氏を除くアニェリ家の拡大家族は、資本を提供しながらも、その行方については発言権がない。その一方で、フィアットを支配する男が保有しているのは、株式のわずか3.5%に過ぎないのである。


 高度な優先株


こうした仕組みの経済的なコストは複雑だ。同族経営会社の魅力の1つは、経営者と株主との関係にある。ほとんどの企業では、経営者は利益をオーナーに払うより、例えば贅沢な経費や大掛かりなプロジェクトを通じて利益を吸い上げることに関心がある。対照的に同族会社では、経営者がオーナーだ。事業に投じられた一族の資産が多ければ多いほど、経営者と株主の利害は一致するようになる。従って、同族経営の会社の上場を阻んだり株式による資金調達より借り入れを促すことは、経済的に非効率である可能性がある。

しかし多数議決権株式はこの論理を弱める。二重階級株式と階層構造の企業群は、権力者をカネを皆に平等に分けるよりも自分たちが得をする方向へと向かわせる。そんな極端な例として米国の検察が非難しているのが、ホリンジャー・インターナショナル(現サン・タイムズメディアグループ)だ。同社はかつて英国の日刊紙デイリー・テレグラフエルサレム・ポスト紙を傘下に置く世界最大級の新聞グループだった。その元CEO(最高経営責任者)のブラック卿は会社のカネを数千万ドル流用したとして法廷に立たされる(本人は罪状を否定している)。

不正容疑の1つの要素が同グループの資本構造にあった。鎖のようにつながった企業群を使い、ブラック卿はホリンジャー株の20%近くを間接的に支配していた。だが、彼はおよそ70%の議決権を持っていた。彼の持つクラスB株式は、ほかの投資家が保有するクラスA株式の10倍の議決権を与えられていた。ブラック氏は多額の報酬を払って取締役会を著名な知人で埋め尽くし、彼らはほとんど疑問を呈さなかったようだが、誰もブラック氏を止められなかった。ブラック氏を解任できる人がいないために、釣り合いを取る立場の人間がいなかったのだ。

こうした大きなリスクにもかかわらず、企業の間で多数議決権株式の改革を求める声は多くない。恐らくこれは、交渉力を高める何らかの方法がなければ、成功する可能性が低いことを投資家側が分かっているからだろう。

しかし投資家の立場が強い時には、彼らは実際に変化を起こすことができる。2006年、当時世界第2位の鉄鋼グループだったアルセロールが世界最大の鉄鋼グループのミタル・スチールから敵対的買収を仕掛けられた時、防衛策の一部として行ったのは買収側のガバナンス(企業統治)を非難することだった。

アルセロールが主に攻撃したのは、ミタル・スチールの支配株主であるラクシュミ・ミタル氏が保有するクラスB株式に割り当てられた不均等な議決権だった。買収を成功させるため、ミタル氏は、合併後の新企業アルセロール・ミタルはすべての株式を経済的権利及び議決権において平等とすることに合意した。

もう1つのガバナンスのリスクは、経営を次の世代に継がせようとする企業に起きる。経営者の子供がパパのおかげでトップの座につくかもしれないという懸念である。こうなると、才能があっても苗字が違う者にはチャンスがないことになる。米国の調査によると、2世の経営する企業は、そうでない企業と比べてうまくいかない傾向がある。

フランスのラガルデール家は、雑誌からミサイルまで手がける同族上場企業を、わずか7%の株式支配で子孫に継がせる究極の方法を見つけ出した。フランスの株式合資会社(societe en commandite par actions)である。フランスの株式合資会社には、2種類の出資者がいる。無限責任出資者と有限責任出資者、つまり株主だ。無限責任出資者は会社の経営責任を負う業務執行者(gerants)を指名する排他的権利を有する(gerantsの任期は6年で再任も可能)。

ラガルデールの無限責任出資者は、故ジャン=リュック・ラガルデールの息子で、この構造を築いたアルノー・ラガルデールと、ラガルデールの支配するArjil Commanditee-ARCO (以下ARCO)だ。当然のことながら、この無限責任出資者は自分たちをラガルデールの業務執行者に指名した。同社の株主が指名する監査役会は、まず最初にラガルデール氏が自分自身を業務執行者として解任しない限り、ラガルデール氏を無限責任出資者から外すことができない。そしてARCOの無限責任出資者としての地位も、ラガルデール家が同社を支配している限り、手をつけることができない。

企業統治を求める声に応えるリップサービスとして、同社の定款は、株主が業務執行者の任命(あるいは再任)を承認すると定めている。だが株主は、最終的に少なくとも3分の2以上の賛成がなければ候補者を拒否することができない。もしそうなれば、ラガルデール氏とARCOは無限責任出資者としての権限で経営を担うことになる。言い換えれば、ラガルデール家は好きなだけ経営を続けられるわけだ。

一族が支配権を失うことがあるとすれば、それは誰かが同社の株式の3分の2を取得して、支配権を一族に与えている規則を変更するよう法廷に申請し、それがうまくいった時だけということになる。フランスのもう1つの主要企業、世界最大のタイヤメーカーであるミシュランもこの手の株式合資会社だ。

その他のフランスの起業家や創業者一族は、支配権を揺ぎないものとするためにここまで極端な方法は使っていない。上場自動車会社PSAプジョーシトロエンは、同一名義で4年以上保有し続けた株式に2倍の議決権を認めている。このルールの恩恵を主に受けているのはプジョーだ。プジョー一族は30%の株で議決権の45%を行使できる。

このシステムは本来、株主の忠誠を高め、投機を罰するものであるはずだった。だが実際は、主に大きな同族株主に恩恵をもたらしてきた。高級品グループLVMHの株式の半分弱を保有するルノー、そのライバルでPPRを支配するピノー家、建設から電気通信までをカバーする複合企業ブイグSAのブイグ家などである。ブイグ創業者の息子の1人、マルタン・ブイグ氏が同社を経営しており、同様にピノー氏の息子、フランソワ=アンリ・ピノーがPPRを経営している。

二重階級株式の株価が割り引かれることは、支配の欠如が不正につながりかねないリスクを反映したものだ。どのくらい頻繁にそうしたことが起きるのか、その証拠はまちまちだ。1株1議決権の仕組みをやめて二重階級構造に切り替えた企業を対象とした調査の結果によると、平均すれば、その変更は株主にとってプラスになった。一方、二重階級構造の企業が株式公開した例をみると、そうした企業は1種類の株式しかない同等の企業よりも株価パフォーマンスが高いという結果が出ている。

しかし、このテーマに関して最も包括的に調べたのは、ペンシルベニア大学ウォートン校、スタンフォード大学、ハーバード・ビジネススクールによる最近の共同研究だろう。1995年から2002年にかけて二重階級株式を持つすべての企業を対象に行った研究では、経済的権利を超える議決権を伴う株式は他の株主にとって悪いものであり、その差が大きければ大きいほどダメージも深刻になるという結論が出た。

「理想的なのは、経営者に対して経済的なオーナーシップをたくさん与える一方で、議決権は与えないこと。二重階級株式の企業では、逆のことが起きている」。論文の3人の著者の1人、アンドリュー・メトリック氏はこう言う。この研究のデータを使って、本紙は二重階級企業を時価総額でランキングした表を作成した(図2参照)。大手メディア企業がリストを占め、ニューヨーク・タイムズ・カンパニーのように時折敵対的買収の対象になる(全面開示:エコノミストは非上場企業だが、その株式には4つの階級がある)。


 オランダ病


同族支配も問題だが、会社に長期的な利害を持たないのに支配権を得た経営者のほうがもっと危険だ。オランダの預託証券制度は、経済的権利と議決権を分離しており、その結果、経営者は株式資本を一切持たずに議決権を支配することが可能になっている。この制度を採用している企業が株式を発行する場合、会社は議決権を保持する議決権信託に対して株式を発行。次に信託が預託証券を発行する。預託証券は、基礎となる株式の経済的権利を反映するものだ。

預託証券保有者は信託に対して、どのように投票するか指示できる。だが実際に指示する保有者は少なく、結局、信託が議決権を支配することになる。「議決権信託は、議題のすべての項目に賛成票を得るための仕組みだ」とオランダ投資家協会(VEB)の責任者ピーター・ポール・ドブリーズ氏は言う。過去30年間、株主総会を見てきたドブリーズ氏は、経営者に反対票を投じた信託を見たことがないという。

最近では、この制度を使うオランダ企業の数は減ってきている。しかし、今でも使っている10%の企業の中には、ABNアムロ(ヘッジファンドに包囲されている)とINGの銀行2行、そして巨大消費財企業ユニリーバなどがある。INGは他の企業と同じように、預託証券によって少数株主が支配権を手に入れるのを防ぐことができると主張する。しかしVEBはこの制度を激しく批判している。株主から影響力を取り上げてしまうというのが主な理由だ。「独裁者が自ら独裁を放棄することはめったにない」とドブリーズ氏は言う。

このオランダの仕組みは歪んだものだが、その他の支配システムはもっとバランスが取れている。創業者一族が支配権を維持したがるのは理解できる。しかし、一族が公開市場から資金を求めながら、投資家を信用しないあまり防衛策を講じるというやり方には、一貫性のなさが感じられる。それ以上に、かつて会社が上場した時にはいいアイデアだと思われていたことが、50年後にはそれほど賢く見えないということもある。フォードでは、ヘンリー・フォードの思い出は、凋落を食い止められない後継者らの苦戦よって、その光を失いつつある。


 以上、『日経ビジネスオンライン』より。


以下に記事を5件。

ポルシェ、VWを実質傘下に (AFP=時事)
2007年3月25日(日)07時30分

【ベルリン24日】ドイツのスポーツ車メーカー、ポルシェは24日、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)への出資比率を現在の27.3%から高め、同社を実質傘下に収める方針を明らかにした。≪写真はフォルクスワーゲン=左=とポルシェの企業ロゴ≫

ポルシェは最高意思決定機関である監査役会の後、声明を発表、当初はVW株を買い増し、出資比率を31%にまで高める方針という。この結果、ポルシェはドイツの法律によりVWへの買収提案を義務付けられる。

ポルシェによるVW株買い増しは、VW株の3.7%を追加取得するオプション契約を行使する格好。ポルシェはこれまで広がっていたVW買収観測を否定してきた。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=20070325afpAFP011617

独ポルシェ、VWを実質傘下に・持ち株比率31%に上げ
日本経済新聞 - 2007年3月24日

【フランクフルト=後藤未知夫】スポーツ車メーカーの独ポルシェは24日、独フォルクスワーゲン(VW)に対する持ち株比率を27%から31%まで引き上げると発表した。ポルシェは今後、持ち株会社を設立、VWを実質的に傘下に収める。国際的な自動車再編が進む中、VWが買収されるのを防ぐ狙い。

独企業では出資比率が30%を超えると買収提案を義務づけられており、ポルシェは他の株主に対し、VW株を1株100.92ユーロで買い取る提案をする。ただ、VWの地元で第2位株主のニーダーザクセン州など大株主が売却に応じるかは不透明。

VWは国内法で大株主の議決権が20%までに制限されているが、欧州司法裁判所が年内にこれを違法とする可能性が高い。そのため新たな買収防衛策が必要となっていた。ポルシェの買い増しで同州と合計した保有比率が50%超となれば、買収懸念は遠のく。(01:12)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070324AT2M2401Y24032007.html

ポルシェ07年度上半期、純利益上昇へ

独高級自動車製造会社ポルシェ(Porche A.G.)は5日、同社2007年会計年度上半期の純利益が上昇したと発表した。同社純利益の上昇は、主に同社が筆頭株主となっているフォルクスワーゲンの株価上昇に起因しているという。同社1月31日締めの07年度上半期純利益は15億ドルとなり、同社予測値の13億8千万ドルを上回る結果となった。またポルシェは2007年会計年度の収益は前年度を上回ることが期待されると発表した。

ポルシェはフォルクスワーゲン株式の27.3%を所有しており、株式取得総額は13億2千万ドルに上る。ポルシェは声明文で「欧州最大の自動車会社であるフォルクスワーゲンに投資して1年半が経過する間に、ポルシェ株価が50%の上昇を示し、さらに同社が筆頭株主となっているフォルクスワーゲン株価は倍増した」と発表した。

一方同社売上高は前年同期比で1.3%減の40億4千万ドルとなった。ポルシェ2007年度上半期自動車販売台数は3万9,265台となり、前年同期の4万2,230台から7%の減少となった。ポルシェは声明文で「同社は現在当初予測よりも2006-2007年度収益に関しより楽観視している。同社は東ヨーロッパ、およびアジアでの市場成長に伴い、今後前年レベルの販売台数を回復することを目標にしている」と述べた。

同社は今後中国での販売店舗数を現状の12店舗から20店舗に増加させ、中国での販売台数倍増を図っている。同社は2006年度中国で1,920台の自動車を販売している。

(03/06 07:21)

http://jp.ibtimes.com/article/company/070306/4886.html

独VW買収規制法、違法判断へ・欧州司法裁
日本経済新聞 - 2007年2月14日

ブリュッセル=下田敏】欧州司法裁判所は13日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の議決権を制限するドイツ国内法は欧州連合(EU)法令に違反するという判断を固めた。買収阻止を狙った保護主義的な規制とする欧州委員会の訴えをほぼ認めるとみられる。VWを買収から守る独国内法の撤廃は避けられず、筆頭株主で独スポーツ車メーカーのポルシェはVWへの出資拡大に動いている。

欧州司法裁はドイツの「VW法」はEU法令で定める資本の自由移動を制限しているとの法務官の意見書を公表した。意見書は裁判官が判決を下す際の重要な判断材料。EU法令違反との判決が出る公算が濃厚だ。(07:02)

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070214AT2M1303913022007.html

国民的自動車「プロトン」の名は存続へ=交渉相手は現在VWだけ−マレーシア首相 (AFP=時事)
2007年3月25日(日)07時38分

【クアラルンプール24日】マレーシアのアブドラ首相は米CNBCテレビとのインタビューで、身売りの可能性について外資と交渉中の国営自動車会社プロトンの名前を消すことはできないと語った。国営ベルナマ通信が24日伝えた。≪写真はクアラルンプールの自動車ショールームに飾られたプロトンロゴマーク

アブドラ首相は「プロトンは国民的自動車であり、ブランドだ」と強調。プロトンの名前を忘れることはできないと語った。一方で「優良な外国のパートナーがプロトンの新型車やエンジン、技術の開発を助けてくれるだろう」と述べた。

ベルナマ通信によると、同首相はプロトンの交渉相手は現在、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)だけだとしながらも、この交渉が失敗に終われば米ゼネラル・モーターズ(GM)と交渉を開始する可能性があると語った。

マレーシア政府は、国営投資会社保有分を含め、プロトン株の59%を保有しているが、競争激化による販売減少で赤字計上が続くプロトンの提携相手を見付ける必要に強く迫られている。

これまでプロトンへの出資についてVW、GMのほかマレーシアの自動車会社3社が関心を示している。

http://money.www.infoseek.co.jp/MnJbn/jbntext/?id=20070325afpAFP011618



「自動車が金持ちの階級のものである限り、それは国民を貧富の二階級に分ける道具にしかならない。国家を真に支えている多くの国民大衆のための自動車であってこそ、文明の利器であり、素晴らしい生活を約束してくれる。我々は今こそ“国民のための車”を持つべきである。」(1933年ベルリン・モーターショーでの開幕演説=ヒトラー




   

日産ディーゼルがボルボの子会社へ

 

 


日産ディーゼルボルボの子会社になった。ボルボは昨年になって筆頭株主になったばかりだというのに、もう子会社化とは。社名は残るというが、これで日産ディーゼルボルボの日本支社」になったわけだ。


日本のトラックメーカーといったら、三菱ふそう日産ディーゼル日野自動車いすゞ自動車‥‥といったところだが、三菱ふそうの株を85%持ってるのはダイムラー・クライスラーだし、日産ディーゼルボルボの子会社になってしまった。自動車産業において日本は強国なのだから、トラック4強のうち2社が外資の傘下という事実には衝撃がある。日野の株はトヨタ過半数保有いすゞ筆頭株主三菱商事

昨年ボルボ日産ディーゼル筆頭株主になったのは、それまでの筆頭株主だった日産自動車から日産ディーゼル株を取得したからだ。そして日産自動車の株44・3%を握るのはルノー、日産の社長兼CEOはカルロス・ゴーンである。日産ディーゼルボルボに売り払ったのは、ルノーやゴーンらの外国人だと見てまず間違いないであろう。ルノーボルボに20%ほど出資してるから、いわばボルボルノーの身内である。



「日産は今後、トラックメーカーになるつもりはない。乗用車部門で多くのプロジェクトを進めているし、成長が見込まれる乗用車市場でこそ、やるべきことがたくさんある」(カルロス・ゴーン

以下に記事を2件。

日産ディ株式、ボルボが96%取得・TOBの結果発表

日産ディーゼル工業は24日、ボルボによるTOB(株式公開買い付け)の結果を発表した。2億9458万5705株が応募し、発行済み株式の96%に達した。取得額は1597億円。TOBに応じなかった残る株式も、日産ディが6月の株主総会を経て買い取る方針。日産ディの株式は早ければ7月にも上場廃止になる見込み。

TOBは2月21日―3月23日までで、買い付け価格540円で実施した。日産ディはボルボの傘下入りするが、社名や商標などはそのまま残る。今後はボルボと連携して商品、技術開発を進め、海外で販売網も拡大する。5年以内に年間で約2億ユーロ(約300億円強)の統合効果を見込む。(13:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20070324AT1D2400424032007.html

ボルボTOB日産ディーゼルを子会社化

スウェーデンの大手トラックメーカー、ボルボは24日、傘下の日産ディーゼル工業に対して2月21日〜3月23日に行った株式公開買い付け(TOB)の結果、日産ディ株式の保有比率が96%になり、子会社化に成功したと発表した。

ボルボは昨年3月と9月に日産自動車から日産ディ株式約19%を取得し、筆頭株主となった。今後の排ガス規制強化をにらみ、高い環境技術をもつ日産ディをグループに取り込むため、子会社化を決めた。【小川直樹】

毎日新聞 2007年3月24日 11時22分

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20070324k0000e020036000c.html


↑ 06年9月時点の資本関係 ↑


日産ディーゼル株売却
日産、日産ディーゼル株をボルボに売却
日産ディーゼルの仲村社長、「われわれの最大の望みは成長」
社長メッセージ日産ディーゼル




※ 25日15時、以下に記事を1件追加。いすゞと日野が提携し、ダイムラー・クライスラー三菱ふそう)やボルボグループ(日産ディーゼル)などに対抗するという。

排ガス浄化で共同開発へ…いすゞと日野が提携第1弾

いすゞ自動車日野自動車が大型トラックの排ガス浄化システムを共同開発する方針を固めた。

両社が年明けから協議を進めているトラック分野の提携第1弾で、今年夏までに共同プロジェクトチームを組織し、開発をスタートさせる。環境対策で手を組み、ダイムラー・クライスラーボルボグループなど世界の大手トラックメーカーに対抗する。

ディーゼルエンジンから出る排ガスに尿素を含んだ水を吹きかけ、化学反応により有害なNOx(窒素酸化物)を軽減する装置を共同開発する。部品の共通化や、給油所などに併設する「尿素水スタンド」などの共同整備も検討する。

ディーゼルエンジンを巡っては、日本と欧州、米国の各地域で、2010年前後に排ガス規制が大幅に強化される。両社は規制に対応する排ガス浄化システムの開発、量産にかかるコストの削減を図る。

大型トラックの浄化システムで両社はこれまで、ぜんそくなどを引き起こすPM(粒子状物質)の排出を主に抑える触媒やフィルターを使う方式を採用してきた。だが、尿素方式が世界の主流になりつつあり、スタンドも徐々に整備されていることから、方針を変更することにした。

(2007年3月25日13時53分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070325i104.htm?from=main1

全日空ホテルの行方

 


全日空ホテルが外資の手に落ちそうだ。全日空は直営する国内の13のホテルを年度内に売却する予定だと昨年12月に発表していたが、そろそろその売却先が決まる頃。


全日空がホテルを売却すると発表した当時、その売却額は1000億円程度になる見込みだといわれていたが、売却額と売却先、その後の収益はどうなるのか。

入札には30件ほどの申し込みがあったようで、FTの記事によると、入札に申し込んだのは、ブラックストーン・グループゴールドマン・サックスメリルリンチ、ローン・スター、ジョージ・ソロススターウッド・キャピタル、ドイツ銀行‥‥といった面々で、毎度おなじみの名前が並んでいる。



全日空が売却するホテルは以下の13。


東京全日空ホテル、ストリングスホテル東京、成田全日空ホテル、千歳全日空ホテル、札幌全日空ホテル、富山全日空ホテル、金沢全日空ホテル、大阪全日空ホテル、広島全日空ホテル、博多全日空ホテル、万座ビーチホテル&リゾート、沖縄ハーバービューホテル、石垣全日空ホテル&リゾート。


全日空は以上の13か所の土地や建物をすべて売却する方針。これまでの「外資系ホテル」というのは、土地や建物の所有権を日本企業がもちながら、ホテルの運営を外資に任せるといったスタンスが多かったはずなのだが、全日空は土地や建物をすべて売却するのだから、これはもっと注目されてよい大きな資産取引である。売却先が決定したあとに「全日空ホテルが外資に買収された!」とか騒いでも手遅れ。

入札だから誰の手に全日空ホテルが落ちるのか分からないが、FTが名前を出した入札者リストには外資の名前しかないため、日本資本がこの入札に参加するのか不明だし、計算高い外資系のヤツらが、当初の売却見込み額1000億円を上回る金額で入札してくるのなら、全日空ホテルにはそれなりのうまみがあるという判断に基づくものだ。日本企業はこの入札に参加してるのだろうか。


07年の東京に外資系ホテルが押しよせてくることをホテル業界では「2007年問題」というらしい。プリンスホテルの売却も進んでいるし、ビル・ゲイツとアルワリード・ビン・タラール王子の大富豪が共同でフォーシーズンズホテルを買収したりもしている。フォーシーズンズホテルは東京都内に「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」と「フォーシーズンズホテル丸の内」を運営しているから、これら東京のホテルもゲイツらの手に渡ったことになるのだろう。先月末にはシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルがモルスタに買収されると報じられた(参照)。つまり東京を中心とするホテルの勢力図に大きな変化が生じている。これを「日本資本対外国資本」と捉えた場合、変化後の勢力図がどのようになっているのか、日本における“ホテル戦争”の行方が気になるところでもある。



驚きより「顧客感動」〜帝国ホテル・小林社長の戦略
【書評】ホテル戦争―「外資VS老舗」業界再編の勢力地図
「ホテル業界の2007年問題」が意味するもの


以下に記事を。

Bid fever for ANA hotel portfolio
By Mariko Sanchanta in Tokyo and Jim Pickard in London
Published: March 21 2007 02:00 | Last updated: March 21 2007 02:00

All Nippon Airways' Japanese hotel portfolio has drawn 30 bids, reflecting the unusual opportunity the sale provides for foreign real estate investors keen for Japanese exposure.

ANA is selling 13 hotels and is now expected to pocket $2.1bn in proceeds, more than double what analysts forecast three months ago when the airline put the hotels up for bid.

ANA, advised by Jones Lang LaSalle and Nomura Securities, has shortlisted about 10 bidders, including Blackstone Group, Goldman Sachs, Merrill Lynch, Lone Star, George Soros, Starwood Capital and Rreef, Deutsche Bank' real estate opportunity fund, according to people close to the deal.

An ANA spokesman yesterday declined to comment on the shortlist.

The deal promises to be one of the largest property deals ever in Japan. Analysts expected investors to be somewhat put off by having to bid for ANA's nationwide portfolio rather than individual properties, particularly the airline's flagship hotel in Tokyo, and being bound to retain the existing management at the hotels.

The heavy bidding shows investors' eagerness for a slice of Tokyo's rebounding property market.

"It's a once-in-a-lifetime chance to buy something of this scale in Japan,"said one person involved in the deal.

The bulk of the hotels are in smaller cities such as Hiroshima. The portfolio does not include 18 ANA-brand hotels that the airline holds no equity in. The sale is part of ANA's effort to focus on its core aviation business. It is understood that the proceeds will be used for aircraft investment.

After being trapped in a downward spiral for more than a decade, Tokyo property prices are hovering at a rate not seen since the heady asset bubble era. The exorbitant prices of recent property transactions in Tokyo have signalled a tentative end to the persistent asset deflation that dragged the nation's economy into recession in the early nineties.

KK daVinci Advisors, which runs Japan's biggest private real estate fund, last year scooped up an office building in Tokyo for Y200bn ($1.7bn), the highest price ever paid for a single property in Japan.

Investment banks and funds have been steadily investing in hotels and resorts in Japan, which have traditionally underperformed global standards, due to Japanese operators' slow adoption of yield management and other standard tools of the industry. Last year, Goldman Sachs' hotel real estate investment trust debuted on the Tokyo Stock Exchange.

Copyright The Financial Times Limited 2007

http://www.ft.com/cms/s/9cfd85b0-d752-11db-b9d7-000b5df10621.html

優良資産踏み台に飛躍期す ANAのホテル売却
12/09 09:03

■一気にJAL引き離し

全日本空輸(ANA)が8日、直営13ホテルの資産売却する方針を決めた。ホテル事業はこれまで、中核事業と位置付けられ、ブランド戦略でも大きな役割を果たしてきた。しかも業績は順調だ。不振事業を切り捨てるのではなく、中核事業の再編に踏み込むことで、本業の「航空」に経営資源を集中する強い姿勢を示したといえる。

これに対し、ライバルの日本航空(JAL)もホテルや社員寮など資産売却を急いでいる。ただ、JALの場合は経営再建に向けた“公約”である2007年3月期の黒字を確保するための苦肉の策に過ぎず、その差は明白。ライバルがもたつく間に国内線の地盤をさらに強固にし、一気にJALを引き離そうという思惑も透けてみえる。

ANAではすでに英国系インターコンチネンタル・ホテルズ・グループと設立した合弁会社に運営を委託しているが、新たに土地、建物を売却する。売却後も合弁会社が運営を継続。今年度中に入札で売却先を決定し、売却額は1000億円程度を見込んでいる。

ホテル事業は06年3月期に46億円の営業利益を上げているが、それでも、あえて手放す背景には、本業の航空事業の競争環境が一段と厳しくなるとの危機感がある。

2009年には羽田、成田空港が相次ぎ拡張される。自らのビジネスチャンス拡大の機会であると同時に、これまで十分な便数を確保できていなかった国内外のライバルが一気に攻勢をかけてくるのは確実だ。ANAとしても高効率の最新鋭機の導入などを急ぎ、競争力はさらに高める必要に迫られている。

不動産を切り離すメリットはほかにもある。大手総合不動産の幹部は、「保有不動産の大胆な処分は、国内大手企業で共通した動きになりつつある。そのきっかけは、村上ファンドによる阪神電鉄の買収だった」と指摘する。村上ファンド阪神に目を付けたのは、有効活用し収益性を高めても売り払っても、多額のリターンが期待できる優良不動産を多く保有していたことにある。

保有する不動産を有効活用できないでいると、ファンドなどによる買収リスクは格段に高まる。そんな危機感が企業を不動産売却へと駆り立てている。

ANAの売却資産について、すでに多くの総合不動産、大小の不動産投資ファンドが強い関心を示している。高い収益が期待できる優良物件は都市部で枯渇しているだけに、好立地の東京全日空ホテル、大阪全日空ホテルなどは、落札価格が跳ね上がる可能性が高く、「売り時」であることは間違いない。

ANAに限らず、経営から不動産を切り離そうという動きは今後も一段と加速していくことになりそうだ。(高山豊司)

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/other/30856/

全日空、国内の全13ホテル売却へ・総額1000億円超
日本経済新聞 - 2006年12月8日

全日本空輸は国内に保有する全13ホテルの土地、建物を売却する。不動産会社や投資ファンドなどを対象に月内に入札を実施、今年度中に売却先を決める。売却額は少なくとも1000億円を超える見通し。今月からホテルの運営を英系ホテル会社との共同出資会社に移管したのに続いて資産も手放し、航空事業に経営資源を集中する。

売却するのは、旗艦大型ホテルの東京全日空ホテル(東京・港)や代表的なリゾートホテルである万座ビーチホテル&リゾート(沖縄県恩納村)など直営13拠点の土地や建物。運営受託や営業協力している18カ所は土地・建物を持っておらず、対象外になる。中国とオーストリアに持つ海外2拠点は引き続き自社で運営する。 (07:00)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20061208AT1D0708107122006.html

ANA、ナショナルフラッグに 狙うは航空ビッグバン